澄んだ少女たちについて(3/4)

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【Case3:紙透かみすき れんについて】

【インタビュイー:神!好き!レンちゃんねる!の視聴者】


レンちをひと言で表すなら、気まぐれに俗世に救いをもたらす神様の一柱です。

霊幻あらたかな聖水をベースに構築されたであろうその御身は、完璧。完全。器量に非の打ち所もない、清廉潔白な、チャンネル名に恥じない‪”‬神‪”‬だと、私は強く確信しています。


レンちの沼というものは、横目に、木々の隙間から覗き見るだけで、心を奪われるもの。瑞々しい血と人肉の匂いを嗅ぎつけた屍人ゾンビのように、その沼へと吸い込まれていくのです。

端麗な顔立ち。絹のような肌。透き通った声。魅せ方を完璧に理解したカメラワーク。饒舌な喋りにまとまりのあるトーク。そうですね、きっとサムネイルを目に入れるだけで、あなたも惹かれることでしょう。深層心理で動画を再生したくなり、無意識のうちにその動画をタップしているはずです。


一度惹かれてからは、もう手の施しようがありません。レンちの意のままに生きるのです。そこに個人の意思など介在せず、レンちが是とするものに陶酔し、非とするものを厭うのです。個々が持ち合わせていた人格という金型の輪郭を彼女と同じ形に捻じ曲げて、レンちから放たれる色を注ぐのです。レンちの発した言葉を隅の隅まで理解するために。


どうです。興味が湧いてきませんか。

いや、何も今すぐにとは言いません。勉学のいとま、物思いに耽る夜、疲れた一日いちじつのお風呂上がり。本当に、ふとした時でいいのです。レンちの影に触れてみてください。あなたにも、きっと素質がありますから。


いやあ、今日の会話は有益でした。レンちを知らない人に静かに種を植え付けることが、私の生き甲斐、及び課せられた使命ですので。

それでは。

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