カレンとアンナの戦い

まずはカレンがカラストリクを構えて、相手を待つ。その杖の特徴は魔法の詠唱が必要不可欠と言われるイルミナにおいて無詠唱で魔法を唱えられるようになること。その次に、魔力の増幅率が異常なほど高く、ただの序魔法 火球が隕石くらいの大きさになってしまうこともある。




使い手はより少ない魔力で収束率を意識しながら、魔法を行使しないとダメだと言われている。その点、カレンは魔法の習熟率が高いので、この杖に使うのに打って付けだと言われて託された。まだ杖はカレンのことを認めていないのでかレンは認められるように日々努力している。




出てきたのはエンシェントダークエルフのラーナである。褐色の女性で精霊闇魔法の使い手だ。



精霊闇魔法とは、精霊魔法の中でも、闇精霊との親和性が高いものが使うものだ。



セラや康二が使うのは精霊魔法全般であるが、あえて精霊闇魔法に特化することで威力を高めることができるのである。詠唱は必要なのだが。



「エンシェントダークエルフの威信にかけて、貴様ら魔族を潰す。」



「魔族の何が気に入らんかなど、我にはわからんが、売られたケンカは買うのみだ。」



2人が里の広場の中央で準備を終え、睨み合う。そして力比べが始まる。武器を使ったり、魔法を使うことは認められているが、致命傷を与えることは禁止だと、エンシェントエルフのフランが試合前に取り決めた。



「闇精霊よ、宵闇より濃い闇で相手を包み、動けなくしろ、ダークネス・エモーションレス!」



この闇魔法の霧は相手の感情を吸い取り、なにもしたくないと思わせる効果がある。



まずいと思ったカレンはさっと飛び退いて、杖の効果で無詠唱で序魔法分の魔力で、火魔法火球を放つ。精霊闇魔法の霧に火球が当たり、闇を打ち滅ぼす灼熱の火球と化す。



「貴様、その魔力量で我の精霊闇魔法を晴らすとは…… さては名のある武器なのだろうな。しかし、懐に飛び込めば!」



ラーナは独特の歩法を使ってカレンに走り寄り、ボディに一発拳を放つ!カレンはその杖に魔力を込めながら、杖で拳を受け流し、無詠唱で火球をまた放つ!



避けきれなかったラーナは魔力を自身に身にまとい、火球をなんとか弾いた。その隙を見逃さなかったカレンは杖に魔力を込めて、首に打ち下ろし、寸止めする。



「両者、そこまで!この勝負、カレンの勝ち!」



「うちの長老は厳しくてな、近接戦闘中にも魔法を使えるようにしなくてはいけないと厳しく稽古されたのだ。エンシェントの名を持つダークエルフならもっと戦える様になるだろう。精進することだな。」



呆然としているラーナは一言つぶやく。



「私の修行が足りなかった、だがこの人なら私のお姉様になってくれる。」



「え?」



「フッフッフ、見つけた私のお姉様、お姉様お姉様お姉様!!!」



カレンはなんかこいつ怖い……と呟き、震えている。康二達はそっと目を逸らすのであった。カレンは康二成分が欲しいと康二に抱きついて匂いを嗅ごうとしていた。あんなにブロックされていたが。



次はアンナの番である。相対するのはエンシェントダークエルフの細マッチョなイケメンである、アレクだった。細いレイピアを携えている。



「私の相手は中々イケメンだが…… 康二には劣るなぁ。」



「はっはっは、救世主殿と比べて頂けるのは嬉しいことだが、君も中々可憐だね。この勝負に俺が勝ったら、俺のものにならない?」



「私は残念ながら、康二に身も心も捧げていてな、お断りだな。」



「ならば、この勝負に勝って、次は救世主殿に挑むか。君は俺のものにふさわしい。」



「断っているのに気持ちの悪いやつだな、早く勝負を始めてほしい。フラン。」



アンナとアレクが武器を構えたところでフランが始め!と言うとアレクが詠唱を始める。



「風の精霊よ、僕と一緒に踊らないかい? 」



詠唱までナンパ言葉である。だが短い詠唱ながら、風の精霊の魔力を身に纏うアレクは迫力が増している。まるで舞踏会で踊っているかのようなステップを踏みながらレイピアでアンナの胴を狙って突きを入れてきた。



アンナは闇の魔力を瞬時に身に纏い、突きを身を引いてかわした後、ダークネスウィップでアレクに鞭を絡ませる。



「闇の魔力よ、敵の魔力を糧に増幅し、相手を拘束させたまえ」



アレクは風の精霊の魔力を高めて抵抗しようとするが、ダークネスウィップで闇魔法を増幅しているので間に合わず、風の精霊の魔力は消えてしまった。しかも体の力がどんどん抜けていくので、抵抗できない。



アンナはツカツカとアレクを拘束したまま、近くまで歩いてきて、闇の魔力を拳に纏わせ、思いっきりぶん殴って意識を失わせた。アレクは拘束されたあたりから、何故か体を震わせていたので、何かに目覚めたのかもしれない。



この勝負もアンナの勝利である。アンナは気持ち悪いという顔をしながら後ろを振り向いて康二になでなでして〜と話しながら、甘えていた。カレンにブロックされていたが。



康二はアンナはドSの女王様になれるんじゃないかとすこし戦慄していたのはナイショの話だ











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