喧嘩っ早い人たち

セラが険しい顔をして、アロガンティスについて思ったことを言う。



「アロガンティスとかいうクソ野郎、昔ご主人様に危害を加えようとした神に似てるような気がするです。」



康二もセラの話からまだ地球にいた頃に、修正せねば、という口癖の自称神に出会っていたことを思い出す。ただ記憶を取り戻したとはいえ、どこか自分の記憶ではないような感覚に陥っていたのは内緒である。



セラはフランに、その後アロガンティスはどうなったのですかと聞いた。



「アロガンティスは他の神に糾弾されて、居場所を失い、神々に封印される目前で行方をくらました。」



他の神達はアロガンティスを探そうとしなかったかとカレンが聞いたが、神には神の領域があり、イルミナから離れてまで探しにいく権限はないのだそうだ。だが情けない話だとは思っているらしい。



そもそも、神の話をそこまで知っている、エンシェントエルフのフランは何者だと言う話になるが、実は神の名代をつとめていた過去があると話すではないか。



オルゴーン大森林が数万年前に燃やされてしまったので、エンシェントエルフは自分の存在を保てなくなり、その役目を果たせなくなってしまったが、神界で起きていることは知覚していたようだ。



康二は久々にラヴに連絡を取れないかと思い、フランに、神と連絡を取る手段はないかと聞いてみるとエンシェントエルフの里の中に教会があるという。そこで祈れば、神の使徒ならあるいはと言うので、全員でエンシェントエルフの里に向かうことにした。



何事もなくとは行かず、途中で野獣や魔物が襲ってくる一幕はあったが、ティラノサウルスのレイやアロサウルス達が元の姿に戻って、追い払ってくれた。ちなみに野獣とは知性のない、本能に従う獣たちの事だ。魔物達の食糧として重宝されている。なぜか野獣は狩っても狩っても湧いてくるのだ。何か野獣達にも秘密があるのかもしれない。



魔物同士でも争い、相手を食べることはある。グレートウルフの希少種であるスラリルがスライムを食べていたことと同じである。というかスライムはゼリーのような食感で味こそ無いが、人間族の中にもスライムとシロップを煮詰めて売り出す人もいるくらい人気があるのだ。


  

何はともあれ、エンシェントエルフの里に到着した。エルフの里は樹木の上に家が建てられているようなツリーハウスから、木がそのまま家になったかのように見えるような物もあった。どうやら木の上で暮らす生活が普通のようだった。



全員が歓迎されたが、康二とセラはアイドルかのようのに熱烈に歓迎されていた。森に漂っている魔力が康二とセラの魔力が混じっている感じらしく、魔力感知能力が高い、エンシェントエルフ達からは一発で分かるらしい。



森を復活させてくれてありがとう、エンシェントエルフ族を救ってくれてありがとうとお礼を言われた。お礼を言うエルフ達の中には褐色で男は筋骨隆々、女は抜群のスタイルで、胸部装甲はラヴ並のものであった。ちょっと鼻を伸ばしていた康二はセラやアンナ達に白い目で見られていることに気づいていなかった。


『((((後でおしおき)))))』女性陣の心は一つになったようだ。仲が良いことはよきかな……?



何か気に入らないことがあるエルフ達も存在した。先程の褐色のエルフ達の一部である。種族名はエンシェントダークエルフである。彼等はどうやら不満があるようでこちらを睨みながら、こう言った。



「救世主様のお付きに貴様ら、魔族はふさわしくない!!!」



彼らは森を甦らせた康二とセラは認めつつもも、魔族である、アンナ、カレン、ゴルドー、カルマ、ガトーのことは認めないと言い出した。リル、レイ、アロサウルス達は魔物なので康二に付き従うものとして除外されているようだ。康二が使徒であり、魔王の再来であるとフランに言われたことはどこかで共有されているのであろうか?



「てやんでえ、俺っちは別に康二のお付きじゃねえぜ。だがよう魔族を馬鹿にされたら黙ってられねえよなあ?」



「全くだ。エンシェントエルフのオマケののエンシェントダークエルフ殿?」



「オマケだと!?魔族のくせに生意気な!貴様ら許せん。ぐうの音も出ない程叩き潰してくれるわ!」



康二は呆れながらも、フランに目を向け、止めないのか?と問うが、なる様になります、と静観の構えであるらしい。



こうして魔族の5人は力比べをすることになる。康二とセラとリルはガトーは戦えるのか?と思い、止めようとしていたが、ガトーは無言ながら力強い目で見るので大人しく見ることにした。












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