第5話 知的生命体は生き残れるか
他国からの侵略は、危機そのものです。しかし、軍拡ではなく「10万年氷期危機」を世界で協議して対策を急がなければ、地球人は滅びます。国連は機能できるでしょうか。46億年の歴史の中で、氷期に初めて立ち向かう知的生命体の姿勢を見せる時なのです。人を殺す武器ではなく、人が生き残るための機器や施設、食糧、エネルギーなどを創り出すことができなければ、知的生命体は地球に存在しなかったということになります。
産業革命以前はCO2濃度が240ppm(100万分の1)だったものが、人間活動により280ppmに増加したから氷期が回避されたとか、ミランコビッチサイクルの日射量が多いからとか、現在は400ppmだから3万年から5万年は氷期が来ないので、その頃には気候を制御できると考えるのは早計で傲慢過ぎます。1万年の間氷期で、人類の歴史は戦争の連続です。このまま3万年や5万年かけても知的生命体としての地球人は成長しないでしょうから、到達できない距離に恒星は離れていることを知るべきです。
猿人や原人が、また600万年かけて知的生命体になったとしても、今のままでは戦争に明け暮れる人類の歴史を繰り返すだけです。知的生命体なら、地球規模の温暖化を遅らせ、氷期でも生きられる環境を地上と地下に準備しなければならない時です。
西暦2100年の大気中のCO2濃度は、人口増加と化石燃料の使用の継続で1000ppmを超えるとか言われています。白亜紀(1億4500万年前)は2000ppm、古生代石炭紀(3~4億年前)には2万ppm、6億年前には20万ppmだった時代があるとかで、どの時代においても地球が金星のように高温化して全生物が消滅したという事実はないと言えても、それでいいのでしょうか。
現代の知的生命体が10万年の氷期を生き延びることができたならば、他の恒星の惑星へ行けるでしょう。1万年の間氷期を何度繰り返したら、やさしい知的生命体に成長できるのでしょうか。もしかしたら、全球凍結で人類は消滅してしまうのでしょうか。太陽の寿命50億年のうちに何度繰り返されるか分からない間氷期を知的生命体は、侵略戦争と経済戦争に明け暮れるのでしょうか。そうではなく、やさしさに包まれた文明を、現代で築けるのでしょうか。
地球にオゾン層が形成され、陸上生物が住める環境になるには、40億年以上もかかっているのです。ましてや、知的生命体が存在したのは、この間氷期の1万年の中だけでした。この機会を手放したら、太陽の寿命と共に消え去るのみです。
自然との共生 本条想子 @s3u8k
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