第2話 地球

 色々な惑星を見て来ましたが、太陽系のような連星ではないところに、地球のような知的生命体が住んでいました。連星では安定的な惑星は存在しないので、生命が誕生しなかったのでしょう。ましてや、存在しても知的生命体には育たなかったのでしょう。

 生命に必要なのは、栄養分です。酸素と水があればそれは成り立ちます。しかし、今、地球では温暖化のさなか、エネルギー問題や食糧危機、物価高が起こっています。知的生命体は1万年経っても、自然エネルギーを作るのもままならないのでしょうか。


 エネルギー問題が起きていない惑星もたくさんあります。木を伐り、家を建て、木を燃やし生活して、みんな仲良く暮らしているのです。

 ただ、地球のように、薪から石炭、石油、ガス、原子力などを使うようになった惑星は悲惨な末路を辿っています。いつも、エネルギーの奪い合いや領土の奪い合いになっているからです。

 エネルギーを化石燃料ばかりに頼ってはいけないと気付いた知的生命体の惑星は、独自の自然エネルギーを生み出して、無秩序な人口爆発を許してはいないのです。

 

 エネルギーだけでなく、1万人なら1万人で分けられる分だけ作り出せばいいのです。100万人、1千万人、1億人と増えると計算ができなくなってしまうのでしょうか。必要以上のものを作り出し、無理して買わせようとしています。また、買わせるとか販売するとかで、人口が多い方が良いという算数しか出来ない経済至上主義の考えが、世界中を支配しています。なんで、貧しい人を増やし、少数の人間に支配されなければならないのでしょうか。確かに、共産主義は大失敗をしました。単に、非民主国家を増やしただけだったのです。


 発展途上国の中には、貿易やグローバル化そしてサプライチェーンなど耳障りのいい言葉に惑わされ、その実態はモノカルチャー経済に苦しんでいます。主食にもならない商品作物を独裁者や軍隊を持つ権力者などに強制栽培させられているのです。


 生産のために、地球そのものを壊しています。その犠牲は、弱い者へしわ寄せが行きます。無駄な物を作らなければ、ここまで地球が破壊されなかったでしょう。



 地球は今、地質年代でいうと顕生代第四紀完新世で、更新世約258万年前から始まった第四紀氷河時代(地球の気候が寒冷化し、大陸氷河が存在する時代)です。4万年から10万年周期で氷床の発達(氷期)と後退(間氷期)を繰り返してきました。現在は、氷床の後退期で氷期が終わって1万1700年(完新世の始まる時期)経過しています。これまでの記録によると間氷期は毎回約1万年で、更新世中期のチバニアン(78万1000年前から12万6000年前)以後は10万年周期で、それより前は4万年周期だったのです。それゆえ、10万年周期での氷期がいつ始まってもおかしくないのです。


 氷期は、後期更新世(12万6000年前から1万1700年前)で起きているのです。氷期では、海から蒸発した大量の水分が雪氷となり陸上に蓄積されるため、海面が間氷期に比べて最大120m程度降下しました。

 世界中で気温が低く、ほとんどの場所が乾燥し砂漠化し氷床も拡大しました。熱帯雨林も無傷ではなく落葉樹林が拡大し、わずかな草原があるだけです。世界の平均気温は、最も氷床が拡大した2万1000年前で9℃だったのです。それは、現在よりも約6.1℃低いものです。そして地球温暖化の中、パリ協定で世界共通の長期目標としての2℃目標の設定と1.5℃に抑える努力を追求することを謳っています。つまり、平均気温9℃の世界で起こる異常気象は、考えると末恐ろしいのです。


 その氷期が地球温暖化により、早期に突入する予兆があると海洋学者らが指摘しています。温暖化によって北極の氷が溶け、北大西洋の深層海流を循環させる働きが弱まりやがて流れが止まり、北アメリカ大陸とヨーロッパが急速に寒冷化し、一気に氷期が訪れるというのです。今までは、赤道付近で暖められた水を北へと運ぶ深層海流は北アメリカ大陸とヨーロッパの気候を温暖に保つ役割を果していたのです。


 大きな氷河時代は、太古からありました。24億年前から21億年前のヒューロニアン氷河時代、8億5千年前から6億3500年前のクライオジェニアン氷河時代、4億6千年前から4億2千年前のアンデス―サハラ氷河時代、3億6千年前から2億6千年前のカルー氷河時代です。そして約258万年前から始まる第四紀氷河時代の真っただ中にいます。それら氷河時代の中で、全球凍結もあったのです。

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