二十四、歓談
「陛下、おはようございます」
「おはよう……って、なんで俺の部屋にいるんだよ!」
朝、
「あ、おはようございます!」
「俺の部屋に来るのはいいけど、ふつーに怖いから起きてからにしてくれないか??」
「すみません、退屈だったので」
目の前の少年はにこにこと微笑んでこちらを見ている。
「そうそう、近いうち師兄に
「えっ、
「実はそうなんだよ。それで確認するけど……仮に妖魔王の器である俺が
「大丈夫だと思いますよ。奴の配下も大したことないし……逆に清々すると思います!」
「ならよかった」
(俺の方が同情しちゃったぞ
「
そんなところに
「あれ、
部屋の外からひょいっと中を覗き込む
「
「今日は休暇だしどうしてるかなって思っただけ。それより! おまえら、最近てか交流会の後ぐらいから急に仲良くなったよなぁ。何かあったのか?」
部屋に入ってきた
「
「ふーん」
(結局あいつは何しに来たんだ……?)
「
「ま、俺の人徳かな〜」
「この、調子に乗りやがって」
癖なのか分からないが、
「そういや
「なっ、見間違いだろ。俺は何もしてない!」
「へー」
「おい、なにニヤニヤして……まさか見られ……っじゃなくて! ……いいか、師兄にはいうなよ……!」
「ほいほい、わかってるって」
脅してくる
『桔梗仙郷伝』にて、この時点で
ある日、
この密会の次の目玉は洞天仙会だ。
「……突然だけどさ、
「なに変なこと言ってんだ。勝手に死んだら殺してやるからな……!」
「えっ乱暴はやめて! てか、死んでたらもう殺せないけど!?」
「そうじゃなくて!」
機嫌を損ねてしまったのか、
原作の
その後、いくつか世間話をして
「あと一ヶ月だな〜」
ひとりになった
◇◇◇
それは、洞天仙会の東西南北対抗戦の最中に起こった。
「
「
「でもっ……」
「それに、師尊たちが奈落の底は妖魔界に通じていて危険だから絶対に近づくなって言ってたじゃないか。俺たちが飛び降りても、もう間に合わない……!」
「クソ……ッ!!!」
(すまない、
「……通り雨だ。このままじゃ霊草を探すのも無理だな。雨宿りしよう。今は気持ちも落ち着けないと」
「
「……あんなんでも、俺の大切な友人だったんだ……俺を庇って、こんな……」
◇◇◇
うんうん、こんな感じだったはず。
この後、狭い岩陰に身を寄せあって雨宿りする中で、
そこからしばらくして、
推しの恋路のためにも、雨宿りまでは原作通り進めたい。
(敵討ちイベントはなくなっちゃうけど、あの章は最初からなかったことにすればよし!)
原作改変致し方なし。敵討ちの章がなくともなんとかなるはず。ヘンテコなこの世界のことだから、代わりに
洞天仙会まであとひと月。原作との大きな分岐点が着々と近づいてきていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます