二十三、対局
朝起きると、数日に
三ヶ月ほど経った今日は、
「みんなの実力を図りたくてね。わたしに一撃でも加えれたら褒美をあげよう」
そうは言うものの、同輩たちは誰も
(余裕そうな顔して……当たってあげる気もないなこりゃ)
そんな中、蒼炎を宿した
「
「ありがとうございます、師尊!」
二人の試合を見学していた周囲も「
「次は
「はい!」
(何考えてんだろ。結局俺のことはなんも言わないし)
最初に対面して秘密がバレて以降、
「来なさい」
「は!」
この頃になると、他の者達も独自の武器を使い始める。
(全く隙がない……)
低級の妖魔などとは違い、相手は何百年も修行を重ねてきた練達者だ。動きが読めない。
しかし、
「いきます!」
まずは開いた鉄扇を振りかぶって、単純な衝撃波を放つ。
「その程度じゃ当たらないよ」
今度は、胸の内で「蒼炎舞」と唱えて、鉄扇の先に蒼炎を灯す。さらに、その上から氷風を纏わせる。
「
蒼炎が風に乗って、ヒュウウ!っと瞬時に
「いけ!」
そして、もう一度蒼炎を起こして術を発動する。その蒼炎は
「おっと」
「え〜当たったのに!」
「フフ、そう簡単にわたしは燃やせないよ。それにしてもすごい炎だね」
「ありがとうございます!」
褒められて素直に嬉しい気持ちになる。ちらりと場外にいる
「
「?」
「おまえの熟練度は異常なほどだ。とても修行を始めて一年未満とは思えない。……この中に潜む魔力のおかげなんだろうね」
「……っ」
そう言って、
「わたしにとってもおまえの成長は嬉しいものだが、
「はい、わかりました」
念を押す
(なるほど、
話が終わると、
「約束通り、
「「やったー!」」
修仙者といえどまだ少年。饅頭で喜ぶお年頃である。実年齢は二十二歳でも、美味しい饅頭は嬉しいものだ。
◇◇◇
今日は野菜の羹と芋の精進揚げである。
「
「あっ、やっぱり気になります〜?」
橋を置いて、
「教えてくれないのか?」
「ふふ、師兄には隠すことじゃないですね〜。要約すると、妖魔王に乗っ取られるなよって忠告されました」
「ほう」
(
悲観的になってしまい、
「そういえば、もうすぐ洞天仙会ですね。
「ああ。年に一度の大きな仙会だ。私たち
話題を変えると、
あと二ヶ月ほどで洞天仙会が開かれる。仙会は
参加するのは、山地の東西南北にそれぞれ位置する八つの仙門の修仙者たちだ。東峰の
洞天の中には広い山が広がり、仙獣などが住んでいるといわれているが、実は奈落の底は
「他の仙門の弟子たちにも会えるんですよね。楽しみだな〜」
「
「はい!」
「実はまたとんでもない目に遭います」などと言えるはずもなく、
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