十一、胃袋掌握〈一〉
「疲れたぁ……」
「あ、
すると、なぜか
そして、駆け寄ってきた
「おまえ、どこいってたんだよ。様子を見に来たら部屋に居ないし」
「あー、ちょっと外で修行してて……」
「外って、まさか実践演習を!? って、その腕はどうしたんだ……!」
(えっ、あれっ、ちょっと掠っただけじゃなかったっけ!?)
「あはは、転んじゃった……」
(
「それ、誰かにやられたのか?」
「へ?」
「チッ、
どういうわけか正解に辿り着いてしまった
「ま、まて、
「なんで庇うんだよ。前もいじめられただろ?」
なるほど。以前にも、
「あーでも、今回は大丈夫だって! それよりお腹が空いたから、台所に行かないか?」
「能天気だな……。ほら、腕を怪我してるんだから、料理はできないだろ? 俺が作ってやるから部屋で待ってろ」
「いや、大したことな……」
(待てよ、これは
「なら、お願いしようかなぁ……」
「ああ」
◇◇◇
収納に仕舞われていた別の衣に着替えて寝台に座り、右腕の傷の処置をしていると、ふわりと美味しそうな香りが漂ってくる。「ぎゅるるるる」と腹の音が鳴った。
「
「
入口の方を見ると、
そして、そのひとつを
お椀の中身は、茸や根菜を出汁で煮込み、米と合わせた山菜粥のようである。
修仙者らしく質素であるが、すごくいい香りがして食欲をそそられる。
同じ精進料理のはずなのに、前回自分で作ってみたのとは大違いである。素朴なのがむしろ素材の良さを引き立てているように思う。
「いい匂い〜!
「まぁ……昔から慣れてるし」
「そっか」
そうだ。
「良い伴侶になりそう」なんて思ったが、それを言ったらまた怒られてしまうので、口には出さない。
「うま〜!!」
出汁がよく効いていて、疲れた身体に染み渡る。魚もほろほろだし、野菜も柔らかくて甘い。
「別に、大したものじゃないけど……」
その後、お腹の空いていた
「
「おまえがちゃんと修行するなら、考えてやってもいい」
「やったー!」
食べ終わった後、
是非、定期的に振舞ってもらいたい。もう
(
原作の五章辺りで、
「……はっ!」
(いいことを思いついた! 俺も
そうだ、その手があった!
いくら修仙者といえど、美味しいものには抗えないはず……!
「
「ん」
すると、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます