十三、課外演習〈一〉
翌日の昼過ぎ、自主練期間を終えて
「今日は課外演習だ。これから各班に別れて簡単な任務をこなしてもらう」
弟子たちは各々剣や弓を携えて凛と立ち、
「この先私が円陣を敷いた範囲に、低級の邪鬼を放った。
仙門は生け捕りにした悪い妖魔を修行に用いることがある。実践によって、修仙者はより強くなれるのだ。
(邪鬼か……それも、低級。今の俺でも、すぐに倒せそうだ。よし、一番に倒して
昨日は霊力は使わず、教書に則り気の巡りを穏やかにしていたから、一昨日よりは持久力も上がっているはずである。
「では、今から三人ずつ名を呼ぶ。その三人が同じ班員だ」
「
「
(俺のために争わないで……! て、あれ……? 俺、ひとりぼっちじゃね!?)
「なんで!?」と動揺していたところで、
「
「えっ!?」
「なんでアイツが師兄と?」
「
「きっとマンツーマンで説教だぜ」
周りからそんな声が聞こえてきた。
「師兄、あのう……」
「
困惑した
「任務を達成した班はここへ戻ってきて待機すること。それでは、演習を開始する。散!」
そして、
(
「私たちも行こう」
「は、はい!」
深衣の裾をたなびかせて林の中へ入っていく
◇◇◇
「師兄〜、全然いませんねぇ」
「ふむ……邪鬼は多めに放ったはずだが」
「師兄、伝説の桔梗って知ってますか?」
「桔梗?」
「なんでも、天材地宝の中でも最高位の霊花で、その桔梗の霊力を取り込めば、あのこわーい妖魔王さえも倒せる力を手に入れられるらしいんです!」
(ま、
現時点ではまだ、
この時点で知っているメインキャラクターは
「ほう、そんなものが存在するのか。それじゃあ、君はその桔梗がどこにあるのか知っているのか?」
「いやーそれが知らないんです。今までその桔梗を見つけた人はいないみたいです! だから、伝説っていう冠称まで付いてるんですかねぇ」
(本当は知ってるけどね!)
やはり、原作通り
現世において、あの桔梗は
(
桔梗の霊力を取り込み、完全体妖魔王となった
(あーこわいこわいっ!)
「
「へっ!?」
妄想に浸っている間に
赤黒くおどろおどろしい鬼だ。背丈は
「
「やってみます!」
「ほう……」
(
「はぁっ!」
瞬間、
「蒼炎舞!」
そして、勢いをつけて鉄扇を扇ぎ、風を起こして攻撃を放つ。
すると、蒼炎舞が命中した邪鬼は「ウガァァァ!」と呻き声を上げて燃え盛る。
(おっと、危ない! 強すぎたら怪しまれるからな……)
トドメを食らわせたいところだが、
やがて、苦しみに喚く邪鬼は塵となって消滅していった。
「おっ」
「師兄〜! 今の見てました!? すごいでしょ!」
すると、
「君、蒼炎舞を扱えるのか?」
「へへっ、この二日間頑張ったんですから」
(あれっ、思ってた反応と違う……ほら、「
しかし、
「どうやら、私は君の実力を見誤っていたようだ。よくやった」
(よかったぁ……)
その様子に、
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