十四、課外演習〈二〉
その後、
隣に並ぶ
(やっぱりかっこいいな〜! 二人きりの修行、最高じゃん!)
そんな調子で浮かれていると、右側からドタドタと誰かの足音が聞こえてきた。
「いてっ」
「いたっ」
情けない声が二つ重なる。肩が痛い。
「すみませんっ! あれっ、師兄と
少年は萎縮し、青白い顔でぺこぺこと謝る。
(この子は……)
「
(
小説の中で、
「その……他の二人とはぐれてしまいまして……」
「なるほど。君の班は何体倒した?」
「ええと、三体です……」
「一人は危険だ。私たちについて来なさい」
「ありがとうございます……!」
「修仙者が歩むのは個の道ではあるが、仙門に属す以上、時には団結力も必要になる。次からは団体行動を意識しなさい。そして、万が一はぐれた時の対処法を予め共有しておくこと。いいね?」
「はい、肝に銘じます……!」
「さあ、私達も残り二体だ。前に進もう」
「「はい」」
(せっかく二人だったのになぁ……ま、他の弟子との交流も大事か)
(ん……?)
すたすたと歩く
「……
視線に気がついた
「あ、いや……なんでもないよ」
「そうですか」
(俺の気のせいか?)
数分ほど歩いた後に、四体目の邪鬼が現れた。すると、
「
「は、はい!」
邪鬼は「グァァ!」と低い鳴き声を上げながら剣を抜いた
「はぁっ!」
「滅!」
「ガァァッッ!!」
そして、邪気の心臓辺りにある核を一突きして、トドメを刺した。邪鬼は青い血を垂れ流して消滅していく。
すると、手の甲の花弁が四枚に増えた。
(この子、なかなかやるじゃん)
仙術は用いず、ほとんど武術だけで倒してみせたのだ。しかも、動きには無駄がなく倒すまで僅か十数秒。新入りにしてはかなり上出来である。
「
「師兄、ありがとうございます!」
(……別にいいけど)
しかし、
「ウガァァァ!!」
「あっ、邪鬼が!」
すると、続けて邪鬼が現れ、
「最後の一体だな。こいつは私が仕留めよう」
すると、ひとりでに
「蒼炎舞」
そして、浮かび上がった長剣が前方に勢いよく飛んでいき、邪鬼の額に命中した。
「滅」
もう一度
「うひょー! 師兄すごいっ!」
「流石かっこいいです!」
見事な手業に、
(高火力とコントロールの精密さは流石
消滅の余韻の風に靡く
「
「「はーい!」」
そうして、
◇◇◇
広場にはまだ誰もおらず、
しかし、数分も経たずに
「あっ、
「げっ、
「ふふん、俺の方が早かったみたいだな」
「はぁ? 師兄と同じ班だったからだろ!」
「調子に乗ってたらバチが当たるぞ」
「ええ〜!」
任務前は
「師兄、見てください! 俺達も五体倒しました!」
「よくやった。……
「蒼炎舞ですか? すみません……俺はまだ上手く扱えなくて、今日は剣術で倒しました」
「そうか。いや、それで構わない」
話を聞いていた
(やっぱり、
一人で動揺していると、
「
「うん、途中ではぐれちゃったみたいでさ〜」
「ふぅん」
「なぁ、
「俺も詳しくは知らない。基本、誰ともつるまずに一人で修行してるって感じだな」
(なーんか、引っかかるんだよなぁ)
剣術は洗練されており、振る舞いも人好きのする感じで立派な弟子だ。けれど、どこか冷たさも感じる。
(ほとんど初対面だから、まだわかんないけど……)
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