第2話
落ち着いてから、ソファに腰をかけ、じっとその男を見つめていた。
「怖かったですね、あなたは勇敢です。よく耐えました。
申し遅れました、私はユウと申します。」
男はどうやら人間ではないらしい。
瞳は金色に輝いていて、背中には羽根のようなものが生えている。
「えぇ、私は人間ではありません。天使のようなものだと思ってください。」
しばらく黙ってユウの話を聞いていた。
昨日の地震は『神の審判』とやらがくだって、地球上の5分の3程の人間が死んだ
と。後の5分の2の人間は生きていて、その中に私の家族、隆太や友人もいる。
「それで、ユウさん。私の家族はどこに?なぜ私だけ地球に取り残されたの?」
ユウは少し難しい顔をして、話を続けた。
「星羅さんは聖書をご存知ですか?この世の全ては、その本に書かれている通りでは
ない。けれどいくつか近しいところがあります。言わばのこ状況は神の審判によりく
だされた、人間のふるいです。生き残った人達は『ノアの方舟』に乗って
それぞれ別の星へ転移したのです。そして星羅さん、
あなたはこの地球のイブに選ばれた。この世界を作り直す神、それがあなたです。」
ひとまず、言いたいのは
「そう…それで、アダムはどこに?」
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