第43話

次の日、佐伯がきた。

「ゲームやりにきたんだけど。」佐伯が言う。

「いや、いいけど、」僕は言う。

佐伯はここ最近、バイトを頑張っているようだ。

「やっぱり福山って部屋きれいだよな」

「まあ、綺麗に保っているけど」僕は言った。

佐伯はどうやら綺麗好きではないらしい。

「そういえば、北条さんとの件どうだったの」と佐伯が僕の目を見て言った。

「ばれて、ものすごく怒られました」と僕は言った。

佐伯はもうその情報をしっているらしい。

「女と男の関係なんてそんなものか」と佐伯は言った。

「そんなものとはどういうこと」と僕は言う。

「だから、浮気してしまうということ」

「核心をつかれてしまった。」僕は困った表情で言った。


佐伯はゲームで僕と競い合って最終的に僕は負けてしまった。


次の日。

僕はあるゲームをやっていた。

そのゲームというのは、戦争ゲームだ。

リアリティーがあるゲームである。

野原と言う草原から、僕は銃器をもって敵と戦う。

リアルだと緊張するのに、僕は気楽にゲームをしている。

世界では戦争が起こっているというのに、僕は遊んでいる。

これは、どういうことなんだろうと僕はおもう。

世界で戦いが起こっている場所もあれば、平和な世界で生きている

それでも、平和な世界でも戦いは起こっている。

僕達の目には、分かりずらいように、

戦争というのは、目に見えて数値化できてしまう。

相手が何人死んだ。とか、戦闘機を何体倒したとか

戦車を奪い取ったとか。

そういう情報で。国と国同士が戦いあって

決着が決まる。ときには講和で決まる。

そんな、世界の中で人々は何にとりついているんだろう。

国という物体に人がぶら下がって動いているように見える。

僕らの日本の平和な社会も国という物体に僕らが動いているように見える。

それは、国に利益をもたらすという意味で。

社会という仕組みというものに僕らは支配されているのではないか。

だから、僕は戦争のゲームをして少しでもリアルさを知って遊んでいる。

きっと、現実を逃避しているのだろう。

本当に、僕が軍人になったら相手を殺せるのだろうかと考えることがある。

きっと、人間は状況に合わせて生きているので。

きっとぼくは何かの理由を自分の中につけて殺してしまうだろう。

人間は環境に適応することでしか生きていけない。。

適応できないやつは排除される。

そして僕は適応できていない。

だから、僕はゲームをして戦争を体験している。

ゲームで遊んでいる。


僕はなん非日常の世界を想像するのが好きなんだろうと僕は思う。

きっと、非日常体験が僕を違う自分にしてくれるのではないかと期待しているのだろう。

僕は、エースパイロットだったらどうだろうと想像することがある。

戦争で、パイロットが戦闘機に乗って相手の戦闘機にミサイルを打って落とす。

そして、そのパイロットは英雄と語られる。

英雄と言うものはどういう存在だろう。

戦争でたくさん人を殺して、活躍した人が英雄といわれる人だろうか

いや、僕は違うと思っている。

英雄とは、信念を持った人に与えらる。人々の象徴みたいなものだ。

英雄とは、国を救った者だ。

なぜ、これだけ僕が戦争にこだわっているのかといえば、

それは非日常だからだ。

いつも戦争がどこかの国で起こっていて

僕達はそれを平和な場所でみているということだ。

地球という広い場所では色々なことが起こる。

歓喜わまるときや、悲しいこと、つらいことなどたくさん。

僕達はそれを可視化できない。

はあ、なんて残酷な世界なのだろう。

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