第41話

次の日、桐生さんとデートした。

水族館デートである。

桐生さんはどうやらイルカが好きなようである。

「魚もいいけど、やっぱりイルカよね」桐生さんが言った。

「どうしてイルカが好きなの」僕は聞くと

「だって、可愛いじゃん」桐生さんが答えた。

僕達は、珍しい魚や、ペンギンをみて、楽しんでいた。

12時にイルカのショーが始まるので

その前に朝食を食べた。

「今日いい天気だよね」桐生さんが言った。

「うん、快晴だね」

僕は答える。

「私、天気に最近興味あるんだ」桐生さんが言う。

「へぇ、天気予報士にでもなるの」

「まあ、天気予報士には慣れないと思うけど、天気知ってると得するじゃん」

桐生さんは笑って答えた。

「ああ、たしかに」

納得の表情で僕はうなずいた。

僕達は、イルカショーが始まるまで、客席に座っていた。

イルカのショーが始まる時間に近づくに連れて、結構な人が

観客席に入ってきた。

「12時になりましたので、イルカのショーを始めます。

観客席の前にいる人たちは、水でぬれることに注意してください。」

とアナウンスがあった。

「もうすぐ、イルカショーが始まるみたいだね」桐生さんが言う。

「ああ、もうすぐだね。」

子供たちが、前の座席で水が来るのをいまといまかと待ち構えているのが

ほほえましいと思った。

イルカショーは前の座席が水にぬれる。

「ここの座席でよかったの」僕は言った。

今、僕達が座っている座席は中間ぐらいの場所だ。

「うん、イルカ見えやすいから」桐生さんが答えた。

イルカショーが始まると、飼育員の方の合図で3匹イルカが泳いで、

同時に飛び跳ねる。その後、3匹は観客席に向かって尾をつかって

水をかける。

子供たちは大喜びだ。

イルカはリングを潜り抜けて、観客席をおおいに盛り上げる。

15分間のショーが終わり、最後に飼育員の人が挨拶をした。

「おもしろかったね」

「うん、そうだね」僕は3匹のイルカが餌をもらっているところを見ながら言った。

水族館の屋内に入り、タイや、イワシを見た後、

家に帰った。


次の日、家に北条さんがやってきた。

僕は、家でのんびり過ごしていると

「なんか、女の人の匂いがする」と北条さんに言われた。

昨日、桐生さんに会ってちゃんと風呂に入ったからそんなことはないはずだと思い。

「女の人に会ってないから勘違いだよ」僕は言った。

「たしかに、気のせいだったかも」北条さんが言った。

僕は、リビングのソファで本を読んでいると

「ねえ、何の本を読んでるの」北条さんに聞かれた。

「ああ、僕の好きな小説家だよ」

「へぇ、今日は家でだらだらするつもり」

「うんそうだけど」

「トランプで遊ばない」

「いいよ」

僕達はトランプで遊ぶことになった。

「けっこういい数字もってるじゃん」と僕は言った。

大富豪というゲームをやっている

「まあね」北条さんは言った。

トランプでたっぷり時間を使って遊んだ。

「運ってほんとに大事だよね、トランプって運のゲームでもあるじゃん」と北条さんは言った。

「まあ、トランプは運も大事だけど実力も大事だよ」

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