第35話
4月3日、北条さんと約束していた花見の日になった。
僕は北条さんと桜の木の横で食事をとっていた。
たくさんの桜の木が咲いている大きい公園でほかにも花見に来ていた人たちがいっぱいいる。ときどき、桜の花が降ってくる。
暖かい気温の中、僕達は談笑をしていた。
「最近、幼馴染に会ったんだけど、もしかするとプロ野球選手になっちゃうかもしれない」と僕は言った。
「そんな、期待ばっかしちゃだめよ、努力を見ないと、その人はきっとすごく努力をしたんだわ」と北条さんは言った。
「ああ、そうだよね、見えない努力をしてきたのかも」と僕もうなずいた。
「桜の花見っていいよね。こうゆう機会がないと僕は、花見を見ようとは思わなかった。」
「写真とっておこうかしら、井端さんがもしかしたら、桜の絵を描いてくれるかもしれないわ」
「井端さんの桜の絵を見てみたいな」と僕は言った。
「そういえば、私も料理してみたの、もともと料理はできたけど、最近やっていなくて、福山くんの料理見て、始めようと思って」
「それはいいね、最初はパスタとか、目玉焼きがいいよ」
「いつかは福山君のグラタンを超えたいな」と北条さんは言った。
「超えて見せてよ、その時はぼくに料理作ってね」と僕達はたわいもない話をした。
「うちに、弟がいるんだけど、今、高校生でプログラミングをしているの、それで、結構稼いでいるわ、福山君も何か稼げることを始めてみたら。」
「たしかに、パソコンで稼げるなら稼ぎたいけど、しっかり働かなきゃと思って、今年の夏ぐらいに就職でもしようかなと思ってるんだけど。」
「それはいいね、私もいい所探してあげる」
「ありがとう」桜の木に誰か登っている人がいる。
注意書きで登らないでと書いてあるのに、こういう人は一定数いるもんだなと思った。
僕も稼げるなら、パソコン使って稼ぎたいけどそう簡単ではない。
けど、一回稼ぐことができたら、きっと続くんだろうなと思ったりはしたが、しっかり、働くことも大事だとも思っている。
「そういえば、井端さんの友達に画家がいるんだって」と北条さんは言った。
「へえ、それはまたすごいね」
「こんど、展覧会をやるみたいだから、見に行くと誘われたから、一緒に見に行こうよ」
「いいよ」
「5月3日にやるらしい」
「おけ」と僕達は井端さんの友達の画家の展覧会に行くことになった。
井端さんの友達は、服部というらしい。
「北条さんって就職どうするの」と僕は聞いた。
「文学部だから、決まってはいないね」
「会社入ると自由時間なくなりそうで、いやだね」と僕は言った。
「今年の夏に入るのに、なんだか弱気だね」僕達は就職について話した。
北条さんと花見を見て、「綺麗だったね」とお互い言った後、僕達はその場で解散した。
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