第34話
幼馴染の中村から、ラインが来た。久しぶりに遊ぼうというラインだった
。僕と中村は幼稚園からの幼馴染で、名前は裕也という。
小学校の時は仲が良かったが、今では、少し連絡を取る程度であった。
中学が別で離ればなれになったのだった。
中村といえば、小学校のときお菓子を持っていこうとしていて、親に怒られていた。問題児というほどではなかったが、規則をあまり気にしない性格であった。
僕達は学校に行くときに一緒によく行っていた。
「3月3日ぐらいに、僕の家で遊ぼう」と僕はラインを送った。
今日から、ちょうど1週間後であった。
「おけ」と裕也から返信が来た。
裕也は運動神経が良くて、50メートル走が速かった。特に、野球がうまくて、高校時代、野球の強豪校に行ったらしい。強豪校の千葉日出高校では、2番を打っていて、3年の夏に甲子園の出場を果たしていた。甲子園は1回戦負けで、今、社会人野球のルルスという野球チームに入っている。
そこで、打率300の活躍であった。
プロを意識して今は励んでいるらしい。
プロ野球球団のスカウトがたまに視察に訪れるらしい。
僕は、プロに行こうとしている裕也にびっくりした。
甲子園に出場しているだけですごいのに、まだ高みを目指すのかと思った。
野球選手になるには、強みが1つ以上必要だ。裕也は、バッティングがいいのと足が速いが、プロ野球には、そういった選手がゴロゴロいる。
けど、裕也なら、やっていけるのではないかと思った。
一週間後、僕は裕也を家に入れた。僕らは野球ゲームをすることになった。
パロプロであった。裕也はゲームは上手いほうではないが、野球のゲームとなると少し話が違うのかもしれない。ぼこぼこと打たれて、10対3で負けてしまった。
「そういえば、小学生の時、運動会でリレーのアンカーで最後めちゃくちゃ追い抜いていたよな」と僕は言った。
「ああ、懐かしいね、足が速かったから」と裕也は言った。
「プロに行けそうなの」と僕は言った。
「バッティングが良くないといけないから、今はopsをあげようと、長打力を狙っているよ」と裕也は言った。
「来年のドラフト楽しみにしててよ、もしかしたら下位で呼ばれるかもしれないから」
「うん、友達として期待しているよ」と僕は言った。
「最近の選手は平気で150kmを投げるから、野球のレベルが上がって大変だよ」と裕也が言った。
「今、160km投げる人も意外といるから、すごいよね」
「俺も160km打てるように頑張るよ。」と裕也は言った。
「そういえば、甲子園どうだった。俺も裕也を見に行ったけど、実際甲子園は違った?。」
「とにかく、熱かったのと、緊張で震えたよね、あんなに大勢に観客がいて、1球1球見守られていたら、頑張らないとと思った。」
「3点差だったよね、蒼陵に後少しってところだったじゃん」
「5対8だから、結構点を取られたよね、ピッチャーの枚数が足りなかったからしょうがない。1回は勝ちたかったな」と裕也は言った。
「裕也もいまでは、プロ目指しているのすごいね」
「俺の年代の高卒ピッチャー笹原はドラフト1位で、2年間で10勝上げて活躍しているよ。すでにプロの世界に立っているのはすごいよね」
「僕は、プロ野球ファンだから、プロのすごさは知っているつもりだけど、実際は表面しか見ていなかったのかもしれない」と僕は言った。
「福山の応援しているベイスターズに入ったら、応援してくれよな」
「もちろん、どこの球団行っても応援するよ」と僕は言った。
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