第33話
。「筋トレでもして、ボディビルダーになれば」と僕は言った。
「一番難しそうじゃないか」と僕らは笑いあった。
ラーメンを食べ終わって僕達は店をでた。僕には、あまり目標がない。
井端さんがうらやましい限りである。才能を持っているということが、世の中の前提条件ではないかとも思ってしまう。
僕は佐伯と別れて、漫画喫茶に来ていた。
漫画読み放題なので、好きな漫画を読むことができる。
異能のバトルものが好きでよく読んでいた。今、読んでいる漫画は特殊能力で相手の敵を倒して、名声を手に入れるという話で、読んでいてとても面白かった。
現実には起こらないことを読むのはとても面白いと感じた。
現実逃避に近い感覚でもある。
主人公の黒羽が、特殊能力が宿り、炎が体を包み自由自在に操り、それを使って敵を倒すという話であった。
僕は、10巻ぐらいまで読んで、家に帰っていった。夜になると、北条さんから電話がかかってくる。
「もしもし、今日は何してたの」と北条さんが聞いてくる。
「ああ、今日は高校時代の友達のロベルトをアメリカに行くために空港まで送っていったよ」
「アメリカに友達がいるなんていいわね。」
「ロサンゼルスに住んでいるらしいんだ、日本には5年間住んでいて、日本語ペラペラだよ。お母さんが日本人らしいからね」
「福山くんも一度、アメリカに行ったらいいじゃない。ロベルトくんの家に泊まって」
「今度、そうするよ」と僕達はロベルトについて話をしていた。
「この間水族館に行ったでしょ、とても楽しかった。特に高く飛ぶイルカが良かった。」
「また今度、水族館にでも行くか」
「そうしたいんだけど、今度、私の家で料理してほしいの」
「それはどうして」
「家で料理してくれる人がいるってうれしいじゃない」
「まあ、いいけど、簡単な料理しか作れないよ」
「グラタン作ってほしい」
「グラタンなら、いいよ」
「じゃあ、3日後私の家に集合で」
「わかった。」と僕達は北条さんの家で料理をする約束をした。
「最近、世間は通り魔事件の話を扱っているよね」
「ああ、無期懲役のこの町の近くにいた人でしょ」
「うん、通り魔が増えてきて、ニュースでよく出てくるから、みんな警戒しちゃうのかも」
「最近、確かに通り魔に刺されたという報道が増えているね。」僕達は最近の話題を口にした。
「北条さん気をつけてね」と僕は言った。
僕は電話を切り、ソファでテレビを見た。ロベルトは今頃、太平洋を渡っているアメリカに向かっているのだろう。
飛行機で映画を見ているのかもしれない。
3日後の2月18日、僕は北条さんの家で料理をすることになった。
10時くらいに北条さんの家に行って、グラタンを作っているところであった。
北条さんは、ソファに座って、料理を気にしている様子だった。
僕は材料を使ってグラタンを作る、焼きあがったグラタンは香ばしかった。
僕は、北条さんと向かい合って、いただきますをしてグラタンを食べる。ふんわりと解けるような食べ応えに歯ごたえのあるマカロニでとてもおいしかった。
「福山くん、料理上手ね、おいしいわ」と北条さんが言った。
「まあ、焼くだけだから、簡単だよ」と僕は言った。
2人でおいしくグラタンを食べた。皿洗いも自分がすることになっている。
グラタンはこびりついているので厄介だった。
皿洗いが終わった後、僕達はソファに座った。
「最近、ヨガしているんだけど、体周りが柔らかくなって楽になったわ。」
「へぇ、それは良かったね。僕は筋トレを少ししているぐらいだよ」
「最近、暇なとき何をすればいいかわからなくなる。」
「今の時代いろいろなものがありすぎるからね」
「最近、福山くんは何しているの」
「僕は、佐伯と遊んだりで、特に何もしていないかな。そろそろ就職活動もしないといけないし、ただ何もしないで生きているだけだとお金が無くなっていくだけだからね。」
「今度、花見にでもいこうよ」
「いいね、行こう。桜を見に行くなんて最近していないからね」と僕達は花見の約束をしていた。
僕は、北条さんの家をでて、自分の家に行った。
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