第7話
「あっ…!あった!」
『なんでしょうか…?』
てかいあいあちゃん服装通りにメイドみたいに振舞ってない?いやまぁ別にいいけど…
「いあいあちゃん、刃物ってない?」
『ございますが…なにをするつもりですか?』
「そこはお楽しみっ!」
『…』
何はともあれ、いあいあちゃんからナイフをもらって…これで腕を浅く切って…血が瓶の中に入るように…
『…!』
仕上げに瓶を振って、残り半分のHPポーション液と混ぜて…っと。
「かんせーい!あ、いあいあちゃん返すね!」
『いえ、それはラピス様に差し上げますので大丈夫ですが…まさか血を混ぜるとは…』
「えへへ、だって手軽に出せて味があるのって血しか思いつかなかったから…それに、【自動HP回復】で皮膚だけ治ってたら血が足りないでしょ?なら血も元通りなんじゃないかなって思ったんだけど…やっぱり当たったね!」
『思い浮かんでも実行するなんて…それで、お味の方は如何でしょうか』
ごくごくごく…ぷはぁー!
「おいしー!!!」
『………やっぱりそうでしたか。吸血鬼の血は美味しいと言われているんです。フルーツの果汁のような味がするらしいです』
「へぇ…だからか、フルーツミックス味がしたのは…でもこれでポーションの味問題は解決だね!」
『そうですね。ですが少しお待ちください。───【ヒール】』
「いあいあちゃんってヒールとか使えるんだ…!?」
『はい、大抵の魔法等は使えます。ナビゲーションAIとして訓練されて来たので。ですが、ラピス様の成長を優先してラピス様が死にそうな時以外は基本的に手は出しません』
「そっかー……でも、私の指示があったら?」
『その場合は指示に従わせていただきます』
ふむふむ…なるほどね。
基本的に手出しはしないけど指示があればやるってことかな。おーけーおーけーりかいした。
でもあれかなー。太陽の下を歩けるようになるまで【自動HP回復】を育てたほうがいいかな。
後々必要になったけど育ててなかったーやばいーなんてことにはなりたくないからね。
ちょっとは楽をしたいのです。
「じゃあ太陽の下を歩けるようになるまで【自動HP回復】を育てなきゃかなー」
『【自動MP回復】は取らないのですか?無いかあるかだけでも差はありますよ』
「え?スキルってどうとるn…ってあれ、SPって…?」
『SPはスキルを取るのに使用したり、より上位のスキルに進化させる時に使いますよ』
「ありがとー!」
じゃあこれで取れるのかな?今20あるけど…
スキル検索!?こんなのあるんだ!
スキル検索…よさそうだけどどうしよう…SPをあまり減らしたくはないし…
いあいあちゃん、教えてくれないかなーチラッチラッ。
『………スキル検索は持ってて当たり前、といったスキルですよ』
じゃあ取るか。SPは…3か…いやいや、ここで怖気ついちゃだめだめ!ぽちーっと!
───あぁ…3SPが消えた…うぅ…
…………えーっと、スキル検索を使用っと。
あ、これでスキル取れるんだ?
【自動MP回復】と。あったあった。
SP3。…………ううううーー!!!ぽぽぽぽちっとぉお!!
────ぜーはーぜーはー。押すだけなのに疲れた。
むっ!?いあいあちゃんが微笑ましそうに見てる!
「ちがうからー!!!」
『なにがですか?』
「え、あー…なんでも!なんでもだよ!」
『ふふふ…w』
「笑うなー!!」
もういいや。物事が進まない。
腕を出して引っ込めてっと。
「いててててて!!!さっきよりはすこしましだけど…!」
《【自動HP回復】のレベルが7に上がりました》
ポーション飲んでっと。
また再チャレンジ。
《【自動HP回復】のレベルが9に上がりました》
《【自動HP回復】のレベルが11に上がりました…………》
◇◆◇
《【自動HP回復】のレベルが40にあがりました。【超自動HP回復】に進化可能です。進化しますか?》
きたー!!!!!!
途中でポーションが尽きていあいあちゃんにヒールしてもらったけど、それがよかった。
いあいあちゃんにヒーリングしてもらって継続回復だから良い感じに相殺されて上がった。
途中で普通に日の下でも歩けるようになったけど。
今日1日全部使ったけどね!
『そろそろ【超自動HP回復】来ましたか?』
「あ、うん。進化できるって来たよ。今進化しちゃうね」
またSP3…ぽちーっと。
うぅ…のこりSP11だ…貯めなきゃ…
「いあいあちゃん、協力してくれてありがとう!今日はもうログアウトしちゃうから、明日ねー!」
『はい、わかりました。お疲れ様です。明日を楽しみにしております』
と、頭を下げて言ってくれた。
ログアウトっと…
─────戻ってきたんだなという実感が湧いてくる。
姉───
学校の支度しなきゃ。
がさかざごそごそ…がっさがっさごっそごっそ…
よし、これでいいかな?
目覚ましも10個ぐらいセットして…っと。
これで寝坊は大丈夫なはず。
ぬくぬくしてるお布団に潜り込んで、おやすみなさい。
また明日ね。
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