第5話

あ、でもこれなら…


「髪の毛先を赤に出来る?」


『可能です。………こちらでどうでしょうか』


 確かに髪の毛先が赤色になっていた。

 しかも赤色のグラデーションだ。文句はないね!


「大丈夫だよー」


『次に移ります。使用する武器を決めてください』


 これでステータスをどこに振るか決めるためかな?

 うーん……あっ!いいじゃんこれ!


「大槌で!!!」


『承りました。───ステータスポイントを振ります。残しても使えませんので使い切ってください』


 ─────

 ◇◆◇

 名前:ラピス

 種族:吸血鬼

 眷属:───

 ◇◆◇

 ステータス

 HP:0

 MP:0

 攻撃力:0

 魔法攻撃力:0

 防御力:0

 魔法防御力:0

 素早さ:0

 器用さ:0

 ステータスポイント:100

 ◇◆◇

 スキル

【自動HP回復】【吸血】【眷属生成】【血魔法】【支援魔法】【鑑定】【魔力視】【魔眼】

 ──────

 ……おっけ。この中から振れってことね。

 悩まずに振ればいっかー。



 最終的にはこうなった。

 ─────

 HP:15

 MP:30

 攻撃力:10

 魔法攻撃力:15

 防御力:10

 魔法防御力:10

 素早さ:5

 器用さ:5

 ──────

 面白みもなんもない。

 仕方ないよね。ストーリーを楽しく見るためには極振りしちゃ…ねぇ?


『1つ聞かせてください。ラピス様は、この世界の中でどうしたいのですか?』


 えっ、考えてなかったけど…昨日考えてたことならあったよね。


「創造神リシェル様に会う。それが私の観測者としての目標だよ」


『…そう、ですか。

───お願いがあります。聞いてくださいますか?』


「なに?話してみて。叶えられるかはわからないけど……」


 いあいあちゃんは深呼吸をした後、口を開く。


『私を、ラピス様の────眷属にしてください』


 ………えっ!?!??!

 いや、こっちとしては嬉しい限りだけど…

 本当にいいの?私は眷属になってもらいたいけどさ…


『構いません。私はラピス様に強い運命を感じたのです』


「で、でもさ、いあいあちゃんがいなくなったらキャラクタークリエイトはどうするの?」


『私が抜けても問題はありません。他のナビゲーションAIが対応してくださいますので。許可は取ってあります』


 抜け目ないなぁ!?

 でも、そっか。迷惑がかからないなら───


「………わかった!いあいあちゃんを私の眷属にする!」


『………!ありがとうございます!』


「じゃあ、これでいいのかな?────眷属生成」


 私がそう呟くと、辺りを赤い光が満たす。

 血の色だけれど、不思議と怖い感じはしない。

 優しく、光がいあいあちゃんを包むように───


 しばらく、その光景に見とれていた。

 光が止まると、いあいあちゃんがこちらへ笑顔を向けていた。


『これからよろしくお願いしますね、ラピス様』


「………うんっ!これからよろしくね!

 ───さぁ!これからストファンの世界を楽しむぞー!」


『「えい、えい、おー!」』


 と、私といあいあちゃんは手を重ね合わせ、おー!と言ったタイミングで同時に手を挙げる。


 いあいあちゃんの表情はとても明るくて。

 さっきまでの無機質さはもうどこにもいない。

 眷属になった影響かな?


 ───そんなことはどうだっていい。

 無機質だったいあいあちゃんの表情がわかるだけで、私は────いや、ラピスは。とっても嬉しいのだから。


──────

1日1回投稿になります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る