第4話

『では次は種族を決めます。種族が多いのでパネルに表示しますが、よろしいでしょうか?』


「おっけーおっけー」


『快諾いただきありがとうございます』


 そう言い終わるとパネルが現れた。

 うわぁ、結構いっぱいあるね…悩んじゃうな。

 むんむん。むむむむーん。


『…もしお悩みであればランダムをお引きすることも可能です。パネルに書いてないレア種族が出ることがあります。一人5回限り引くことが出来ますが、もしもレア種族が出なくてもパネルの中から選べるので挑戦するのをおすすめします』


 ふむふむふむ…いいじゃーん。

 挑戦だ挑戦!今私は波に乗っているのだ!きっと行けるはずー!


「じゃあランダム引いてみる!」

『承りました。1回目を引かせていただきます。───妖精。もう1回引きますか?』


 妖精はさっきパネルで見た…ってことはレアじゃない!


「もーわんもあ!」


『承りました。2回目を引かせていただきます。───狐族。もう一度引きますか?』




「質問いいかな?」



『どうぞ。私が答えられるものであればなんでもお答えします』


「レア種族引いたらレア種族引いたーって言ってくれるのかな?」


『お伝えさせていただきます』


 わかった、おけおけ。

 じゃあ見逃しててレア種族になれなかったーってことはないのね。安心安心。


 さっ、次行ってみよー。


『3回目を引かせていただきます。───狐族。もう一度引きますか?』


 狐。狐かぁぁあぁあ〜〜〜!!


 もふもふは好きだけど…もふもふは好きだけど…うゆゆゆ、悩むなぁ…どうしよ…


 ────いや、後で選べるはず!レアって言われてないもんね!

 邪念はばいばい!レア種族絶対引いてやるんだもん!


「もーいっかい!」


『4回目を引かせていただきます。───人間。最後にもう一度引きますか?』


「~~~っ!もういっかい!」


『5回目を引かせていただきます。────吸血鬼!おめでとうございます!レア種族です!』


「きたー!!!!!」


 もうこれは悩むまでもないよねっ!即決だよ即決!吸血鬼とかロマンあるじゃないのー!!!

 くふふふ…笑いが止まらん!

 今の私を止められるものはもういない!


 …………と、頭の中で思っていたんだけど。

 いあいあちゃんが何か言いたそうにしているのに気付いた。


『………舞い上がっているところ申し訳ありませんが、吸血鬼にはデメリットがあります。お話してもよろしいでしょうか?』


「んー。興味あるから説明してほしいな!」


『承知いたしました。まず、1番のデメリットとして、太陽の下にいるかぎり継続ダメージを喰らいます。ですが、これにはメリットもございます』


「めりっと…?なんのメリットがあるの?」


『太陽の光は強いので一発で死んでしまうこともございますが、吸血鬼には【自動HP回復】というスキルがございます。レベル1だと微々たる回復力ですが、育てれば太陽の下を出歩くことも可能となります。

 また、太陽の光に当たることで継続ダメージを受けますが、自動HP回復で治ってゆく…そのため、自動的に【自動HP回復】が育ちます』


 ふむふむ…最初が肝心ってこと?

 けどあれだねー。【自動HP回復】育てるまでは外に出歩けないか。


 けどそんなの気にしないでもいいかな?

 なんだかそこにもストーリーがありそうだから楽しめそう。


「ふむふむ。次は?」


『聖職者から受けるダメージ2倍、聖魔法受けダメージが2倍になります』


 まぁこれは納得出来る。

 吸血鬼って聖職者とかには弱いからね…


「把握した」


『では次を話させていただきます。ですが、これ以上デメリットはありませんので次はメリットを話させていただきます』


「おろ?メリットね、はーい」


『血を飲むことで一時的にステータスが跳ね上がります。また、血を定期的に飲むと言うことはする必要がないのでご心配なく。血は街の雑貨屋にも売っていますのでご気軽にお買い求めいただけますよ』


「おっけおっけー。他にはある?」


『レア種族なのでステータスポイントが高めに得られます。これからステータスを決めるのでその際最初に振れるポイントが増えます』


 ふむ…でも、このくらいなら吸血鬼を選んでもいいかなー。

 要するに太陽こわい、聖職逃げろ、血でパワーアップってことだね。完全に理解したんだもん!


『種族はどういたしますか?』


「吸血鬼で!」


『承りました。ではもう一度姿を変えたい場合はお申し付けください。今から種族を変えます』


 了解ー。

 まぁ要するに種族にあわせて変えれるようにーってことね。

 ─────ふぉおおおお!翼生えた!黒い!でっかい!いいじゃーん!

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