第3話

どうしよ…これって三角関係!?


「では、魔法で誠意を見せるというのは?」


「いいだろう」


確か、この世界では和歌じゃなくて魔法で相手にアピールするのよね。


「では、魔法で姫君の気に入る創造物を作るというのは?」


「それはいいですね、少納言殿」


「じゃあ、俺からだ」


藍様の声が聞こえる。


何をしてるのか簾のせいで見えないわ。魔法使ってるの見てみたかったな。


「紫苑、楓様からだ」


渡されたのは蕾の朝顔と思ったが、いきなりパッと花が咲いた。そして他の蕾たちも花開き咲き誇った。


凄すぎて驚いてる。


「その朝顔は枯れることはございません」


「楓殿の魔法はその程度ですか?」


藍様はそう言うけどもっと凄いと期待していいのかな?


「では、私の番だ」


今度はどんな魔法なんだろう。


「藍様からだ」


今度は、宝石のようなキキョウ?アメシストのように輝いている。

こっちは派手すぎない?


「藍殿は派手ならば何でもいいらしい」


「言うじゃないか楓殿」


いや、どっちも凄いと思うけどね。


やっぱり、三角関係は恐ろしい。


「紫苑姫はどちらがお好きですか?」


と二人に聞かれる。


うーん…アメシストみたいなキキョウもいいのだけど…


「楓様の朝顔が素敵でございました」


「え?」


現実世界にいた私にはいきなり開花した朝顔のほうが素敵だった。


「紫苑姫、私は諦めませぬ、今度はあなたの満足のいく魔法をご覧にいれましょう」


そして宴は終わった。


私はさっきの朝顔を窓際に飾った。


やっぱり無駄に飾ったキキョウよりもきれいだ。



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