第68話 謎の本No.27 ブレーメン
「さて。時間は……」
宴会場の扉から中を除くと、まだ気持ちよさそうに寝ているみんな。時間的にまだまだ寝そうなみんな。
「では、鳩教授の本を読んでみましょうか!!」
(まあ、寝るだけだけど)
「【猫の書】スピーzZ」
直ぐさま眠りについたひるね。
『サブクエスト:ブレーメンの音楽隊が開始されました。憑依する相手を選びましょう、1.高齢のロバ2.高齢の猟犬3.高齢の猫4.食べられる寸前の雄鶏』
(ふむ。今回はブレーメンの音楽隊か、まあ3で慣れてるし)
『高齢の猫を選択しました。それではどうぞお楽しみ下さい。お願いだから楽しんで下さいね。頼みます。どうかお願いします!!』
(なんか、圧が凄いな……さて、此処は民家かな。)
周りを見回すと恰幅のいいお婆さんが、鼻歌を歌いながら何かを煮込んでいる。
ひるねは暖炉の横でぬくぬくしていると、目の前をネズミが通り過ぎる。すると選択肢が現れる。
『選択を選びましょう。
1.ネズミを捕まえる
2.無視して毛糸玉をイジる』
(わたし自身、別にネズミに恨みはないけど、毛糸をイジるのもなー……良し!ネズミをイジろう!)
『第3の選択。ネズミをイジるが選択されました。また変な選択を……』
ひるねの瞳がキランと光。素早い動きでネズミを捕まえる事に成功する。
「チュウー……」
「ふっふっふ。あは。捕まえた」
「ンチュー」
身体を震わせながらこれからの運命に十字架を胸に刻むネズミ。これからどうしてやろうかと思っていると、お婆さんが急に料理をやめて近づいて来た。
『選択を選びましょう。
1.ネズミを咥えて逃げる
2.ネズミを口に隠す』
ひるねはテンパってネズミを口に隠した。抱き上げられるひるね。そのままお風呂場へ。そこには猫ちゃん用の湯船があり、お婆さんに身体を丸洗いされた後湯船に浸からされ、お婆さんは料理をしに戻って行った。取り敢えずネズミを口からだし、2匹揃ってお風呂で寛ぐ事にした。
「にゃあぁ〜」
「ちゅう〜」
「ん?終わった」
お風呂場で寛いでいると、サブクエスト終了の画面が表示された。
『サブクエストクリア?
タイトル:ブレーメンの音楽隊
選択難易度:F(高齢の猫)
物語進行度:25%
ブレーメンの音楽隊:家を出なかった為、彼らに会えませんでした。
クリアランク:Z
クリア称号:【濡れ鼠の風呂仲間】を授与。
はあ、また物語が予定通りに進まなかった。』
称号:【濡れ鼠の風呂仲間】
効果:サブクエストブレーメンの音楽隊のシナリオを無視し、mobネズミと仲良くなりました。君は猫だけど、良いやつだチュ!
『童話mobnpc食べられる予定だったネズミからパッシブスキル【鼠の恩返し】が贈られます』
【鼠の恩返し】種目:パッシブ
効果:湯船に浸かると何処からかネズミが現れ一緒にお風呂に入る。お風呂に浸かるたびに敏捷が10上がる。またネズミを呼び出す事が出来、そのネズミを口に入れていると敵に認識され辛くなる。
むくりと起き上がると横にはかえるの王子さまとネズミが喋っており、かえるの王子さまは一礼すると消えていった。
「ねえ。君。わたしの口の中気に入ったとか言わないよね?」
「チュウ!!」
ネズミは顔を赤らめながらくねくねと身体を揺らした。
「マジか……」
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