第66話 かえるの王子さま
【猫の書】種目:アクティブ MP:52
効果:猫が書物などの上で寝るのは、その書物を読み取っているのである。スキルを使用すると【睡眠】の状態異常になるが、下にある書物や地図などを解読出来る。
クールタイム:2時間
【猫の書】を発動し、自動的に書が読み込まれていく。ひるねは夢をみる。
『サブクエスト:かえるの王さまが開始されました。憑依する相手を選びましょう、1.姫2.蛙』
「ん?じゃあ姫で」
『異界人ひるねが、姫に憑依しました』
王様のお城のすぐ近くに大きな暗い森があり、その森の古いライムの木の下にある泉の前で目を覚ます。
「ふぁー涼しいし、静かで良い所だなー」
ひるねは目をこすりながら左右を見渡す。すると目の前に選択が現れる。
『選択を選びましょう。
1.風景を眺める
2.金の玉で遊ぶ』
(んー興味ない。寝るzZ)
ひるねは選択画面を無視して眠り始めた。それから数時間、ひるねは気持ちよさそうに眠っている。
すると泉の方からぽちゃんと音がし、ヒョコッとカエルが泉から顔を出す。
「あの姫様は、いつまで眠るんだ?ゲコゲコ」
「むにゃむにゃ、もう食べられないよ……」
頭上の選択画面が点滅を始める。
しかし、ひるねは眠る。カエルは呆れる。
それからまた数時間後、痺れを切らした選択画面が「ピコンピコン」と大きな音を出し始め、カエルはひるねを観察する。
「あの音で良く寝れるな」
「すぴーすぴー」
まだ気持ちよさそうに寝息を立てている。選択画面我慢の限界に達し、遂に爆発した。それでも未だに起きない。
『サブクエストクリア?
タイトル:かえるの王子さま
選択難易度:F(姫)
物語進行度:0%
かえるの王子さま:出会い失敗
クリアランク:Z
クリア称号:【かえるの王子さまの眠り姫】を授与』
称号:【かえるの王子さまの眠り姫】
効果:サブクエストかえるの王子さまのシナリオを無視し、眠り続けた君にプレゼント。童話npcかえるの王子さまが貴女に興味を持ちました。君の寝顔を守ってあげる!
『童話npcかえるの王子からパッシブスキル【眠り姫のカエル騎士】が贈られます』
【眠り姫のカエル騎士】種目:パッシブ
効果:睡眠中かえるの王子さまが1匹召喚されます。かえるの王子さまは、姫に敵意を向ける者に向かって【カエル爆弾】を投げつけ、姫を守ります。
【カエル爆弾】品質:特殊
効果:カエル型の爆弾がぶつかった者を【特殊状態異常:カエル】に変えます。
【特殊状態異常:カエル】
効果:死ぬかセーフティーエリアに行くまで身体がカエルになり、武器、防具、装飾が効果を失い、アイテムBOXに入る。また、ゲコゲコとしか喋れなくなる。
ひるねが眠る竜宮城に召喚されたかえるの王子さま。
「この猫が姫様か、本当によく眠る姫様だゲコゲコ」
かえるの王子さまは、ひるねの寝顔を一眼拝見し、ぽちゃんとひるねの深淵に入り顔だけ出してひるねの護衛を始めるのだった。
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