第47話 アランガント王vs元王女マリー③マリーの反逆
「きゃー!!!!」
「ん?」
「あっ」
騎士を殺したところをタイミング悪く通りかかったメイドに見られてしまった。来た道を回れ右して逃げますメイド。
「どうしますかひるね様?」
「まあ、どうせいつかは気付かれるし、気にしなくていいんじゃないかな。それよりマリーちゃん、王様のとこってここを真っ直ぐでいいの?」
「よっと。こっちですの」
マリーに先導されながら十数分。遂に謁見の間の扉の前に来た。何時もいる騎士は、どうやら王様に問い詰められているようだ。
「お前たちは何をしておるのじゃ!この無能どもが!!」
「「す!すいません!!」」
「ああ、マリー。儂の愛しのマリーは何処へ」
マリーが消えた事と、メイドが騎士を殺す猫を見た事で、アランガント王は心ここに在らずといった表情と怒りで変な顔になっていた。
「行きますの」
「マリーなら出来るよ」
「応援してるよマリーちゃん」
「私たちが居ますから」
「さあ、わたしに覚悟を見せてくださいね」
「はいですの!」
バレないように兎親子は、深淵に入って身を隠す。
マリーが扉に触るとマリーの指紋に反応し、扉が自動で開く。
「お父様!」
「おおーマリー!何処へ行っていたんだい?」
「散歩ですの」
「散歩じゃ仕方ないのじゃ〜」
緩み切った笑顔をマリーに向けるアランガント王。
マリーは何喰わぬ顔でゆっくりと王の近くに立っていた騎士2人に視線を送り小さく「【魅了】」と呟き発動させた。
ゆっくりと騎士が立ち上がり、マリーの前を護衛するように玉座の階段を上がり、騎士が腰につけた剣に手を掛ける。
「お父様、わたくしお願いがありますの」
「どんな願いじゃ?何か欲しいのかな?モンスターかい?お金かい?おもちゃかな?」
「わたくしお父様の命が欲しいですの」
「へ?」
「殺して」
「「は!」」
「……ッ?!」
マリーの横で控えていた騎士2人の剣が王の身体を貫いた。マリーひるね全員が勝ちを確信した。
しかし、次の瞬間。アランガント王の身体から煙が吹き出し、視界が塞がれる。煙が晴れた其処には骨の姿になったアランガント王が玉座に座っており、足元には元は騎士だったと思われる干からびた死体が2つ。
「おーマリー。このお父様を裏切るとは、嘆かわしい。ああ、嘆かわしかな。やはりあの女の血はダメだな」
「な?!」
「あれは、霊?いや!ワイトキング?!」
「女?まさかお母様が死んだのは?!」
マリーが怒りを現すと、にたぁと気持ち悪い笑顔を娘のマリーに見せるアランガント王。
「そうだよマリー。マリーのお母様はな〜獣人の人権がとか言いよったからな、儂自ら殺した。ほれ。お母様はいつも此処におったのだよ。【幻影】解除」
「「「「「?!」」」」」
アランガント王は玉座を立ち上がり横にズレると、玉座が真の姿を現し、それは骨の集合体であり、首にはマリーがプレゼントしたルビーの首飾りが嵌められていた。
マリーは呆然と立ち尽くす。
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