第40話 王城制圧部隊!マリーちゃん!合体だ!!

 聖水を飲んで瀕死のHPが全回復するが、顔色が悪い。


「がは」

「ママ!!」

「何で?」

「これは」

「白くんわかるの?」

「多分、ひるね様の【猫憑】と同じ状態だと思います。僕の【霊眼Ⅰ】が反応しています、ラビさんのお母様の背に怨霊が溜まっています」


【霊眼Ⅰ】種目:パッシブ

 効果:幽霊がうっすらと見えるようになる。怨念が強いほど見える。


「あは!じゃあ飲ませるんじゃなくて!聖水を掛ければいいんだね!!ていっ!!」


【聖水】品質:8

 説明:聖職者の祈りにより清められた水。

 満腹ゲージ:0%回復 HP:1000回復。

 幽霊系・妖怪系モンスターに100%ダメージ


 先程の聖水で体内にいた怨霊が浄化された。外側に残っていた怨霊のせいで体調が良くなっていなかったのだ。

 ひるねは早速両手に聖水を持ち、ママさんの背中目掛けてぶっ掛ける。


「「「ゔぎゃああぁああーーーーーーー!!」」」


 そして肉球を揃えて祈りを捧げる。怨霊たちが浄化され冥界に昇天して行く。どんどんママさんの顔色が良くなって行く。

 そしてゆっくりと瞼が開く。


「あれ?ラビちゃん?私、え?苦……しくない?」

「ママ!!良かった!」

「痛いわ。ラビちゃん」

「ごめんなさい!っでも、本当に良かった!!ママが死ななくて!本当に!良かった!!」


 ラビがママさんに泣きながら抱きつく。嬉しい涙が沢山流れる。涙が床に落ちるたび、空気が澄んでいく。


「これは?!」

「息が……」

「あは♡」


【名前:ラビ・ホワイトソン】

【種族:聖兎人族】

【メイン職業:巫女】

【サブ職業:Lv.10で解放】

【所属:人類国家アランガント奴隷】


 Lv:1

 HP:30/30

 MP:30/30


 腕力:1

 耐久:2(-1)

 敏捷:2(-1)

 技量:1

 知力:0

 幸運:1

 SP:10


 武器:なし

 防具:【奴隷用ボロ服】

    

 装飾:【呪縛の首輪】


 アクティブスキル:【脱兎】


 パッシブスキル:【聖涙】


 装備スキル: 【スキル取得不可】【経験値獲得不可】【絶対忠誠】


 称号:【聖巫女】


【脱兎】種目:アクティブMP:100

 効果:逃げるうさぎのように縦横縦横無尽に走り去る。このスキルは使用時から逃げるか捕まるまで発動し続ける。逃げる時しか使用できない。


【聖涙】種目:パッシブ

 効果:陽感情の涙を出した時、少しずつ周りを浄化する。1時間基礎幸運を2倍にする。


 呪装飾:【呪縛の首輪】耐久6,666全ステータス1に変更。

【スキル取得不可】【経験値獲得不可】【絶対忠誠】装備スキル

 効果:新しくスキルを取得出来ず、経験値を獲得出来ず、契約している主人に反逆出来ず、命令に逆らえない。

 同じ【呪縛の首輪】を装備している物同士の攻撃では首輪の耐久は減らない。


 これが彼女ラビのステータスであり、ラビの【聖涙】の効果で空気を浄化していたのだ。


「皆様。この度はありがとうございました」

「ありあとうございました!」

「良いのよ。元はと言えばわたくしのお父様のせいだし……」

「元気になって良かった!」

「まだ嬉しがるのは早いんじゃ無い?」

「「?」」


 兎親子はキョトンと首を傾げる。所作が全く同じ、親子だな。


「その首輪。破壊して上げるよ【爪研ぎ】マリーちゃん手伝って」

「はいですの!【深淵化】失礼しますの」


 マリーがどろんとひるねの深淵に入る。


「【深淵纏アビスローブ】ですの!ひるねちゃん!」

「あは!これなら行けそうな気がする!」


 マリーがひるねの【死神の爪】に対して、【深淵纏アビスローブ】を使用する。銀色に光っていた【死神の爪】が闇に染まって行く、深淵は爪をそして前脚を包み込み、ドレスグローブになる。


「動かないでね!!」

「「はい!」」


 先ずは【呪縛の首輪】に3度噛み付く。【ケロベロスの幼少期の首輪】の装備スキル【トリカブト】が発動し、時間が経つに連れて、【呪縛の首輪】に入ったヒビが広がって行く。其処目掛けて【乱れ引っ掻き】を繰り出す。



「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 現在最大の10連乱れ引っ掻き。クールタイム10秒。丁度、攻撃が終わった瞬間再度【乱れ引っ掻き】を発動させる。攻撃が邪魔されない限り、MPが足りる限りひるねは乱れ引っ掻きを繰り出す。

【呪縛の首輪】の耐久6,666がジリジリと削れ、悲鳴を上げる。


「これで終わり!!」


 そして遂に【呪縛の首輪】が崩れ落ちる。それと同時にマリーがひるねから分離する。

 放心状態の兎親子。


「流石です!ひるね様!マリーちゃん!」

「白さん、流石のわたしも疲れた。おやすみzZ」

「え?!ちょっひるね様!寝ないで下さい!!」

「わたくしも限界ですのー」

「え?!マリーちゃんもですか?!もう、2人ともー!!」


 崩れるようにぐでーと床でスライムのように溶けている2人をどうにか起こそうとしている白を見て、兎親子は笑う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る