第30話 ひるね。人類国家アランガントに到着?

「あ!あの人工物は町じゃないかな!!」


 城壁らしき人工物を発見した。


「そうですね。では、速度を上げますのでおつかり下さい」

「うん。宜しく〜」

「行きますよ!!【疾風】!」


【疾風】種目:アクティブ MP:15

 効果:スキル使用後の30秒、風の力で敏捷が2倍になる。

 クールタイム:2分


「早〜い!!」

「僕の全力はまだまだこれからですよ!!ひるね様!!【加速】!からの【超加速】!!」


【加速】種目:アクティブ MP:10

 効果:スキル使用後の10秒、敏捷が1.5倍になる。

 クールタイム:1分

【超加速】種目:アクティブ MP:20

 効果:スキル使用後の20秒、敏捷が3倍になる。

 クールタイム:2分


 白の敏捷が3つのスキル連続発動により、×2×1.5×3

 つまら9倍の速度で森を走りぬける。

 上に乗るひるねはジェットコースターに乗ってるような気分で楽しい悲鳴を上げていた。


「貴様止まれ!!」


 門番が止まれと声を上げるので白が急停止する。急に止まるものだから、背に乗っていたひるねがビューン!と、飛び出して行く。


「なー!!!!」

「ああ!すみません!ひるね様!!」

「大丈夫だよ〜この身体痛くないから大丈夫」


 でも、しっかりとHPは削れている。


 門に突き刺さったひるねが、身体を起こすと、門にヒビが入る。

 それを見た門番の顔が真っ赤になり、目尻が吊り上がる。


「よくも!よくも!獣風情が!異界人だからといって許さぬぞ!!我々の【アランガント】の門を破壊したんだからな!!警備兵!!」


 3人の鎧甲冑が門を潜ってやってくる。その身長は3メートル。本当に人種かも怪しい。


「我ら!【アランガント】南門守備隊!長男アーロン!」

「次男ローガン!」

「三男ガーンス!」

「「「3人揃って!アロンガス隊!!」」」

「デカい」

「でけー」

「ハッハッハ!!褒めたからと言って許す事は無いがな!!【ギガントフィスト】!!」


【ギガントフィスト】種目:アクティブ MP:50

 効果:腕が巨大化しそのまま振り下ろす。腕力が3倍になる。

 クールタイム:10秒


「あは!すご〜い。でも効かないよ〜【影移動】」


 ひるねに迫る巨大な腕をその影に入る事で、交わすひるね。白は、持ち前の敏捷で森の方へと逃げる。


「頑張って下さ〜い」


 こそこそと木の影に隠れて応援する白。


「うん。応援ありがと〜【切り裂く】!」

「【挑発】!【ギガントシールド】」

「【挑発】めんどくさいな!じゃあお前から【切り裂く】!!」


【ギガントシールド】種目:アクティブ MP:50

 効果:大楯武器を巨大化させ、耐久が3倍になる。

 クールタイム:10秒


 次男ローガンに向かって【切り裂く】が炸裂する。


「そんな攻撃効かな……はぁ?これは血?がは?!」

「ロー兄さん!?」


 時間差で盾が真っ二つになり、その後ろで構えていたローガンのお腹を切り裂いていた。ローガンは、お腹を抑えながら膝をつく。


「貴様!!良くも、2人がかりで行くぞ!!」

「はい!アー兄さん!【ギガントアーム】【転送陣】【手錠】!!」

「ん?」


【ギガントアーム】種目:アクティブ MP:不明

 効果:腕を巨大化し動かす事が出来る。腕力が2倍になり、敏捷が1/2倍になる。発動中1秒当たりMPを5を消費する。


【転送陣Ⅰ】種目:アクティブ MP:100

 効果:転送陣の大きさの物を瞬時に転送する陣を設置する。設置時間5分

 クールタイム:30分


【手錠】種目:アクティブ MP:50

 効果:手で相手を拘束する時、自身の腕力以下の相手を逃げられなくさせる。

 クールタイム:5分


 ガーンスの腕が巨大化し、魔法陣が現れその腕を飲み込む。

 直ぐにひるねの左右に魔法陣が出現し、巨大な腕が現れ、ひるねを拘束する。


「良くやったぞ!!これで終わりだ!【ギガントアーム】【鉄槌】」


【鉄槌】種目:アクティブ MP:50

 効果:拳を鉄に変化させ、拳を振り落とす。腕力が5倍になるが、敏捷が1/2倍になる。

 クールタイム:1分


「ひるね様!!」


 ひるねがやられたと思い、慌てて駆けつけようとする白の瞳が見開く。


「くははは!我ら兄弟に敵う者などおらん!!」

「そうですね……アー兄さん、そ、その後ろに居るのはいったい?」

「貴様は?!」

「あは。バレちゃった。でももう遅いよ、新スキル【猫憑】。これでお兄さんのステータスは半減だね」

「ぐふ。急に身体が重く」


 着込んでいた金と白の鎧の重さを支えられなくなる。


「この!アー兄さんから離れろ!【ギガントフィスト】!」

「ぐふっ?!」

「何でアー兄さんに!?」

「あははは!霊に物理攻撃は効かないよ〜【輪廻転生】よっと、それじゃあ最後は【加速】からの【切り裂く】!!」

「ぐはあ!」


 ひるねはアロンガス隊を打ち破った。

 門番は血相を変えて誰かを呼びに行った。

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