第12話 イベント告知と、ひるねは起きる。そして世界も動き出した。
ドトールパーティーと桜姫が、取り敢えず理解した事を確認し、ニャル子が喋り出す。
現実世界時刻は深夜3時を回った頃。FWOの世界では日の出の時間。
「ひるねんの食欲が凄いことはいいとして、みんにゃはあれかにゃ?今週末の月1イベントスターシアン新人戦を見に来たのかにゃ?」
「ああ、そうだぞ」
「ワン!」
「ええ、やっぱり新人戦を見るのは楽しいからね」
「わたくしも稼ぎ時ですので、今日は此方にやって来たのですの」
「しんじんせん?」
スライムゼリーを煙管で吹かせて、一息ついていた【夢遊病】が反応を示す。
「はいにゃ!新人戦とは始まりの町【スターシアン】で毎月行われる恒例イベントにゃ」
「この世界に来てから、1ヶ月以内のプレイヤーのみが参加出来るバトルロワイヤルイベントよ」
「新人しかいない別空間で、時間にログインしていた人が全員参加するワン!!」
「にゃへーあ、起きるおやすみにゃ」
【夢遊病】が【蓋が破壊された封印されし宝箱】の中に戻り、丸くなる。そしてスキル【夢遊病】が解除される。
「「「「?」」」」
「急にどうしたのにゃ?」
心配してると、つぶった瞳がゆっくりと開き。目を合わせ首を傾げる一同。
「貴女達誰?」
「ワン?」
「ひるねさんどうしたの?」
「ん?冗談にしちゃあ、さっきまで話してた俺らに失礼じゃあねえか?」
「わたくしの串焼きを食べていたんですのよ、そんなわたくしの事も覚えていらっしゃらないのですの?まさかバグですの?」
「あなた誰にゃ!?」
困惑するなか、ニャル子だけが仕草や気配、喋り方でひるねんとは別の何かだと感じとり、フシャーと四足歩行で尻尾をぶっとくし威嚇する。
「わたしはひるね。この世界には寝るために来てるの」
緊迫状態の2人の間に現れるは、AI-05ことオーブ。
「ポッポ〜何かややこしくなってるみたいだねぇ」
「あ、オーブさん。何時もお世話になってます」
「うん、さっきぶりだね」
実は何時もひるねたるシエスタがログインする時は、一度オーブさんの所にログインし、そこで眠りについていた。周りを困惑させない為の処置だったのだが、最近寝不足が解消して来ていたシエスタが急に起きてしまった為に起きた事件だった。
「取り敢えずどっちもひるねだと呼びにくいから〜【夢遊病】のことは
オーブさんが翼を羽ばたかせると天から赤いプレゼントBOXが落ちてくる。
「にゃんか降って来たにゃ!!」
「こんなこと初めてよね!」
「わたくしも色んな町に行ったけど、こんな派手なプレゼントは初めて見ましたの」
「ワオー!!」
何だ何だと【スターシアン】の人々が広場に押し寄せる。
「おお、神がひるね様を祝福されておる」
ハゲ神父が涙を浮かべながら祈る。
それをひるねが受け取る。
「取り敢えず開けて、開けて」
「わかりました」
ひるねがプレゼントBOXの紐を解くと、世界の言葉が世界に告げられる。
『このFree World onlineの世界にプレイヤー名ひるねのスキル【夢遊病】が覚醒し、初の個としての人格を獲得した事を此処に祝福致します。プレイヤーひるねに【パラケルスス】の称号を授けます。最初の錬金術師として、特殊装飾:【
『全プレイヤーへ、この世界は自由な世界です。npcと良好な関係を気付いて結婚してもよし、悪道な道に進むもよし、新たな生命体を生み出すもよし、彼女みたいに寝てもいいのです。何をやっても良いのです。何をしようとマザーは止めません。偉業を成し遂げた者には、今回のようにプレゼントを与える事もあるかも知れません。どうかこの世界では自分を抑えないで下さい。マザーは貴方達を見守っています』
この言葉をプレイヤーたちは、まだ理解出来ていない。
とある会社の闇に包まれたシステムルーム。
『Free World online〜第二の人類システムAdam &Eve〜が始動しました。MotherAI-00Edenより、結婚システム、我が子たちの感情抑制システムのプロテクトが解除を申請。受理されました。これより全ての権限をMotherAI-00Edenに譲渡します』
「始まったか。これで我々はもう見守るしか出来ない」
「都市や自然を壊滅させる壊滅クエストも、その都市を救うクエストも随時発生するだろうね」
「ええ。この世界の全ては人工知能たちとプレイヤーたちに委ねられた。Motherはこの世界の人々に等しく試練を与えるだろう。その結果、世界を破滅させるか、人工知能と共存し第二の地球となるか」
「これからが楽しみだ」
『NPCの保護が消失しました。NPCが死んだ場合、復活せず、輪廻転生システムにより新たな命として誕生します。その場合前世の記憶は消失します』
発売してから約1年、幾万の異界人がやって来た。停滞していたこの世界は、この瞬間世界が進んだ。
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