第10話 ロックバード狩、焼き鳥を求めて
【スターシアン】近郊の森の中、お尻と二又の尻尾を振り振りしながら獲物を狙う黒猫が1匹。
「いたにゃ」
「ロケーロッロッロッ」
【夢遊病】の先には変な鳴き方をする鶏が5羽。その鶏の羽や身体は、薄い岩で囲まれている。そのモンスターの名は【ロックバード】。
ロックバードとは、動きは鈍いが身体が硬い岩で囲まれている為に、斬撃、刺突に耐性があり、近距離の物理アタッカーは打撃での攻撃を余儀なくされる。武器の耐久がガンガン減る割に、経験値がグリーンスライム並みの為、みんな攻撃しないで他の獲物を狙う。味はとても美味。
「「ロケ?!」」
ロックバードたちの周りに【生命の煙】の煙が現れる。
その煙に驚き動きが止まる。
「【火の玉Ⅰ】」
ロックバードたちは、【火の玉Ⅰ】が気になり、一斉にそちらを向く。その背後から【夢遊病】が走り出す。
「【加速】!【乱れ引っ掻き】にゃ!!」
5羽の首にレベル51の【死神の爪】が炸裂する。一瞬の静寂ののち、ロックバードの首がぽとりと落ちる。
『ロックバード5羽分の討伐報酬。ロックバードのお肉4個、ロックバードの岩皮膚1個入手しました』
「決まったにゃ〜ぴー」
【觔斗雲を呼ぶ笛】で【觔斗雲】を呼び出し、【
ボーパルバニーとは、フォレストラビットが進化し、二足歩行を可能としたモンスター。首にはモンスターの返り血で赤黒く染まったマフラーを巻き、手には刃こぼれした首切り包丁を持っており、敵を背後から狙う。
狙われたのが初心者なら、致命傷を与えていたかも知れません。ですが、この黒猫はスキル【夢遊病】殺気に反応して、自動で回避または反撃をする。
「そこにゃ!!」
【夢遊病】は【觔斗雲】を急旋回し。背後から攻撃を仕掛ける。
「【切り裂く】!!」
「ピッ」
ボーパルバニーは、ロックバードと同様に首を切り落とされポリゴンになり消えた。
『ひるねのレベルが1上がりました。HPが5、MPが2、腕力、敏捷、幸運が2上がり、耐久、知力が1上がりました』
レベルが52になる。
『レアモンスターボーパルバニー1匹分の討伐報酬。ボーパルバニーの核を1個入手しました。』
※レアモンスター:フィールドに1匹だけ存在する。倒す事が出来れば、核を1個確定で入手出来る。
スキル獲得アイテム:ボーパルバニーの核
入手難易度:D級
食べるとアクティブスキル【ラビットジャンプ】を獲得可能。
【ラビットジャンプ】種目:アクティブ MP:10
効果:発動後次の跳躍力が1.5倍になる。
クールタイム:10秒
「お肉が欲しかったにゃ」
ボーパルバニーの核を噛み砕きながら森を彷徨う、その後はグリーンスライムを10匹倒した。でもロックバードが見つからない。
「みゃー見つからにゃいにゃ、焼き鳥は何処にゃー」
最早ロックバードを焼き鳥呼びする【夢遊病】。夜になるがめげずに探索する。その前にセーフティーエリアでニャル子に奢らせた【ロックバードの焼き串】を食べる。
【ロックバードの焼き串:タレ】品質:4
説明:プレイヤー桜姫が奇跡的な配合で編み出した、品質:9の秘伝のタレに浸したロックバードの胸肉を串に刺し、炭火でじっくり焼いた焼き鳥串。
タレには色んな鳥の成分が溶け出しており、濃厚で後味さっぱり!!
満腹ゲージ:50%回復 HP:200回復
追加効果:食してから10分敏捷を1.2倍にする。
「うみゃい!!」
口の周りに付いたタレを舌で綺麗に舐め、【
素材アイテム:グリーンスライムゼリー
入手難易度:F級
主に薬の材料として使われる。
そのまま食べることも出来、ミントのような味がする為好んで食べる愛好家もいる。HPなどは回復しない。
「やーきーとーりー」
【夢遊病】はロックバード探しに戻って行った。
夜の森に響く【夢遊病】の声、夜な夜な続けるものだから、金色に輝く何かが空中を漂う【スターシアン】の七不思議になったとかならなかったとか。
結果【夢遊病】のレベルが55になりました。
『プレイヤーの中でロックバードを連続で300匹倒したプレイヤーが現れました。称号:【ロックバードエクスターミネーター】を授与しました。』
称号:【ロックバードエクスターミネーター】
効果:貴女はロックバードを目的を持って狩り続けました。ロックバードが種の保存の為、貴女から逃走します。
ロックバードに与えるダメージが3倍になり、受けるダメージが1/5倍になります。ロックバードが見つかり辛くなります。
『プレイヤー桜姫からメッセージです。
明日は、わたくし【スターシアン】で屋台を出しておりますの。遊びに来て下さいまし』
そのメッセージを見て【夢遊病】は、瞳を輝かせ「ミャオ〜ン!!」と、シベリアンハスキーのように遠吠えをした。その様子をニャル子は、影からにまにましながら観察するのだった。
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