第7話作戦会議
森永探偵事務所での『対T8000』の作戦会議は深夜にまで続いていた。(もっとも、その殆どは呑み会になっていたが……)
「あのアンドロイドが相手となれば、やっぱり今回は銃が必要になるな」
顎に手を当てて、神妙な表情でシチローが呟いた。
「えっ、シチロー銃なんて持ってたの?」
「持ってる訳無いだろ! オイラは探偵だぞ?」
日本の法律では、銃の所持を許されているのは警察や自衛隊…あとは猟銃の免許を持つ猟師位の者か……残念ながら探偵は、そのいずれにも含まれてはいない。
「持ってないのに威張る事ないでしょ! それなら『銃が必要』ってなにか方法があるの?」
「あの……確かこの時代の日本では、銃の所持は違法なんじゃ……」
凪が2024年に来る前に調べた情報では確かにそうなっていた。その疑問をシチローにぶつける。
「そうだよ! 銃なんてドンキにだって売ってないよ!」
ひろきにとっては『万能の店』であるドン・キホーテ……彼女には、ここに売っているかどうかが日本で手に入るかどうかの判断基準になる。
「誰が買うって言ったよ? 買うんじゃなくて調達するのさ」
シチローは含みのある言い方をして、ニヤリと口角を上げた。
「それじゃあ、もう遅いから今日はこれくらいにしておこう。二階に余っている部屋があるから凪とホノは、そこで寝るといいよ。着替えはティダが貸してあげて」
「二人共、サイズはアタシと同じ位だから着られると思うけど……」
「ありがとう、ティダ。でも着替えは用意してきたから大丈夫」
凪とホノは、その日は森永探偵事務所へと宿泊し、そして翌日を迎えた。
☆☆☆
朝を迎え、チャリパイの四人と凪そしてホノが向かった所は……
【国際テロ組織尊南アルカイナ本部】
なるほど、ここならシチローのいう通り銃器は沢山ありそうである。
「でもシチロー、銃なんて貸してくれないと思うけど……」
ひろきの言うことは、もっともだった。考えてもみれば、いくら羽毛田の事を知って
いるとしても、テロ組織が商売道具の銃なんて貸してくれる訳が無い。
「いや…今回は黙って拝借しようと思うんだけど……」
「・・・・・・・・・」
まったく何を考えているんだこの人は……とでも言いたそうな顔で、じっとシチローを見つめるてぃーだ達。
「何か作戦でもあるんですか?」
「じゃあ、それを今から説明するから」
『あるんかい!』と突っ込みたかった子豚だが、ここは大人しくシチローの話を聞いてみるべきだろう。
シチローの作戦はこうだった。
その1……シチローが何食わぬ顔で、羽毛田の所に行き注意をそらす。
その2……その間に、残りの5人が武器庫に侵入し武器を持ち去る。
「改めて説明する程の作戦でもないわね……」
「そんなので上手くいくかしら……」
「文句言わない! 何か問題が起きたら、この無線で知らせるように!」
シチローはティーダに無線を渡し、自分はイヤホン型の小型無線と小型マイクを付けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます