第6話最強兵器T8000!

見るも無残に壁を蜂の巣にされた事務所へと戻って来たチャリパイの四人と凪とホノ。


「酷くやられましたね…よくご無事で」


本来なら戦争とは無縁である筈のこの世界に、こんな悪影響を与えている事に強い責任を感じ俯く凪とホノ。

その二人の様子を見たシチローが、そんなに気にしないでと眉を下げておどけて見せた。


「今お茶でも淹れるよ…まあ、座って」


弾除けに使っていたテーブルを起こし、ソファの位置を直してから、布巾でテーブルの埃を拭き取る。その間にてぃーだが、コーヒーを淹れる為にキッチンへと歩いた。


全員がテーブルに着くと、早速シチローが口を開いた。


「そもそも、あのサングラスの奴は一体誰なんだ?メールではがどうとか書いてあったけど…」

「その刺客はT8000という機械軍の最新アンドロイドです。人間ではありません」


この段階で、シチロー達は初めてあのT8000がアンドロイドだという事を知らされる。現代でもソフトバンクの『ペッパー君』のようにAIを搭載したロボットは存在するが、あれほど高性能なアンドロイドは初めて見た。しかもそれが銃器を構え人間を襲うなどとは、およそシチロー達には考えられない事だった。


「あのアンドロイド…T8000って言ったかしら…とかは無いの?」


機械である以上、何か弱点があるのでは?とてぃーだが訊ねたが凪は首を横に振りながら答えた。


「T8000の外殻はZZ製で、ダイヤモンドの2倍の強度を持ちます」


その後をホノが続ける。


!倒すとすれば、プレス機で何回も押し潰すとか溶鉱炉に落とすとか…」

「なんかそれ、映画で観たわ…」

コーヒーをすすりながら、子豚が呟いた。


「だったら、未来の強力な武器とかは持って来なかったの?」


未来だったら、きっと今よりも破壊力の大きな武器が発明されているに違いない

そう考えたひろきが凪に質問してみると、凪は腰のホルダーから見た事もない形をした銃を出し、テーブルの上にそれを置いた。


これは、【ウルトラスーパーマグナム】といって、10の威力があります!」

「おおっ~!それはスゴイ!」


凪のプレゼンに、チャリパイの四人は身を乗り出してその銃に食いつく!この大きさでこんな凄い威力の銃は、現代では恐らく存在しないであろう…この銃ならばあるいはT8000に対抗出来るかもしれない。


「でも、急いで来たんで…弾込めて来るの忘れちゃって♪」

「・・・・・・・・・」


まるでのように可愛く舌を出してウインクをして見せる凪に、チャリパイの四人は無表情でこう思っていたに違いない。


(一体何しに来たんだこの二人は…)

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