第4話未来からの助っ人
本日オープンの4丁目の居酒屋で、チャリパイの四人は先程の銃撃事件について話をしていた。シチローは、日付が『2100年』になっているメールが送られたスマホの画面をテーブルの上に出し呟く。
「やっぱり、このメールが怪しいんだよな…」
その他のメールの日付は2024年であるのに対してこのメールだけが2100年になっている。もしこれが故障だとしても、こんな壊れ方をするだろうか?
「その送り主に返信して、何があったか訊いてみれば?」
ビールジョッキを右手に、ひろきが提案する。
「返信か…う~ん、どうしようかな…」
このメールを送ってきた相手が誰だか分からない為、迂闊に返信して良いものかシチローが躊躇していると、痺れを切らしたひろきがシチローのスマホを取り上げて言った。
「じゃあ~あたしが返してあげるよ」
【みなタンお元気でつか(#^^#)さっきはどんだけ~みたいなヤツが来てさんざんだったょ((+_+))】
「はい♪」
「もっとまともな文章書けないのか…内容はともかくとして…」
やがて、ひろきがメールを返信してからおよそ五分後に、再び例のアドレスからメールが送られてきた。
「あっ、来た」
そのメールの日付はまたしても2100年…そして内容は、シチロー達にはにわかには信じられないような内容だった。
その内容とは、未来のいきさつ…コンピューターmotherが人間を制圧し、自分達は反乱軍として長い間機械軍との戦争を繰り広げている事。
そして戦況が不利になってきたmotherが反乱軍の先祖に当たるチャリパイを抹殺する為に時空を超えて刺客を送り込んだ事などが詳細に書かれていた。
「信じられないような話だけど…オイラ達が狙われたのは事実だしな…」
「追伸で未来から【ネオ・チャーリーズエンゼルパイ】のメンバーが二人、救援に来るって書いてあるわ…」
ネオ・チャーリーズエンゼルパイ…はたしてその二人はどのような人物なのだろうか?
♢♢♢
ボワン…
T8000の時と同じように丸い光の塊が消えたそのあとに、二人の若い女性の姿が現れた。
「全裸姿の私達を期待していた男性読者の皆さん、残念でした。服はちゃんと着てますよww」
現れた女性の名前は『凪』と『ホノ』
ネオ・チャーリーズエンゼルパイのメンバーである。
初めて訪れる2024年の東京の姿を観て、感動に浸る凪とホノ。
「見て、ホノ!2024年の東京はみんな生き生きとしているわ!これが人間の本当の姿よ!」
凪とホノがいる2100年の東京は機械軍と反乱軍との戦争の真っ最中であった。荒廃したインフラと瓦礫が積みあがる街並み…そこにあるものは死と絶望のみだった。
そんな未来での唯一の希望…それが『ネオ・チャーリーズエンゼルパイ』であり、そのルーツとなるチャリパイの存在は、未来では伝説とされ神格化されていた。
「凪、いよいよあの、伝説のチャーリーズエンゼルパイに会えるのね!」
「そうよ、きっと精悍で知的な人達なんでしょうね…」
夜空に瞬く星に想いを馳せるように、両手を組んでうっとりした表情で空を見上げる凪とホノ。その、『精悍で知的な』チャリパイの四人は…
「ああ~っ!その『焼き鳥』わたしが最後に残しておいたやつなのに~!」
「うるさい!早い者勝ちだ!ペッペッ!」
「汚ね~!ツバかけないでよ!」
「ビールおかわりぃ~♪」
どこが知的だ…
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