第126話 ドワーフとの遭遇
宮島ダンジョンで捕獲したベルベルとクックドゥドルを異世界駐屯地近くに建設したクリュウ(仮)牧場に放つ。
ここでクックドゥドルのテイム状態は解除。放置する。あとは魔素を含んだ草や小さな虫を補食して勝手に増えて行くだろう。
ベルベルにはモーチャンと名前を付けてテイムを続行。定期的に乳を提供して貰うことに。
あとはスキルを酪農スキルか酪農スキル持ちを探そう。
あるよね?(このあと無事王都のスキル屋さんで発見し購入。デュロック(オーク)に覚えて貰うことに。)
さて今日からはJ隊が未だに探索していない西へと向かう。たまにドローンを上空に上げて周囲を探索する。あ、オークだ!数は三体。ちゃっちゃと狩る。肉は大切だよ。ま、オークと言ってもこちらのオークは獣に近いから忌避感も薄い。まぁ、うちのデュロックが人間に近かすぎるだけなんだけどね。
スコーン。スコーン。スコーン。
木材を伐採するような音が響く。というか「ような」じゃなく伐採音だね。
とにかく音のするほうにドローンを飛ばす。
やがて木を伐採する小さな7人の男性を映し出す。身長は誰も140センチぐらいながらビア樽のような体型にもじゃもじゃの髭面。
そう。エルフと同じファンタジー界の住人であるドワーフによく似た種族である。
「ハイ○ー!」
「ヘイヘイ○ー!」
う~ん。ピー音案件!というかここ異世界だよね?Dの使者が笑ってない目で走って詰め寄る案件は勘弁してください。
「とりあえず接触してみますか」
辺りを警戒しつつドワーフらしき人たちのもとに歩み寄る。
「すみません!ちょっといいですか?」
大きな声をかけながら彼らに近ずく。
明らかに紅桃に視線が向き、それからこちらを見る。
「なんじゃい?」
赤い三角帽を被ったドワーフが聞き返してくる。どうやら彼がリーダーらしい。
「ええっと、皆さんここで木こりを?」
「いいや?俺たちは鍛冶屋だ」
青い三角帽を被ったドワーフが答える。
「ここで窯の燃料となる木を伐採している」
緑の三角帽を被ったドワーフが答える。
う~ん。答えるのは誰か一人でもいいんですが。
「そういうお前たちは?」
黄色い三角帽を被ったドワーフが尋ねる。
「開拓・・・いや、ここから東に半日行ったところにある都市に所属している冒険者兼商人です」
「おぉウジナの冒険者か」
オレンジ色の三角帽を被ったドワーフが答える。
「知っておるのか?」
紫色の三角帽を被ったドワーフが尋ねる。
「あぁ。確か海の近くの都市じゃ」
オレンジ色の三角帽を被ったドワーフが答える。
「あんたら海からきたんね?」
桃色の三角帽を被った髭のないドワーフが尋ねる。どうやら声の様子からして女性らしい。
「まぁ海は近いですね」
「商人とか言ってたね?なら塩。塩は持ってない?職業柄、塩は重要物資なんよ」
あぁ、汗とかでミネラルとかが不足しますもんね・・・
「塩ですか・・・いや、まぁありますけどね」
塩は、異世界の扉のほうに三桁キロ単位である。
「売ってくれるか?」
「いくら欲しいのです?」
「え?」
桃色の三角帽を被った髭のないドワーフの目が点になる。
「商人だからね。欲しい量は聞かないと」
「えぇっと、荷物らしき・・・あぁマジックバック持ちか・・・」
赤い三角帽を被ったドワーフが一人言で質問し勝手に解答を得ている。
「物をお見せしましょう」
異世界の扉を開き、中から一キロに小分けされた塩の袋を5つ彼らの前にお出しする。
「これは何だ?」
どうやらビニール袋に興味がある様子。
「欲しいのは中味でしょ?」
袋のひとつの封を切り、中味を少し取り出して渡す。
「これが塩だと?」
ドワーフたちが味を確かめて目が真ん丸になる。まぁ、魔法が使えるこの世界であっても、製塩技術とかはあんまり発達していないんだよね。
魔法だとミネラル分とかも全部吹っ飛ばすし、海水を煮込んだり天日に干すやり方だと手間がかかり過ぎるのだ。
なので見た目を重視する真っ白でしょっぱいだけの塩と安い精製が十分でない雑味の多い茶色っぽい塩、それと岩塩が流通している。
ほどほどの味の塩が作られないのは魔法があるからだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます