第119話第10階層最奥の攻略準備
王都ダンジョン第10階層最奥の玄室のモンスターは全部アンデッド。ということで武器を用意する。まぁすべての武器には聖属性を付与するから武器を用意する必要はない。呪文詠唱を阻害するスライム飴で十分だろう。
あとは・・・魔法の効果を減衰させるものを用意したい。ということで道具屋へと向かう。
「すみません。魔法の威力を減衰もしくは封印出来るアイテムはありますか?」
店に入り、店員さんに尋ねる。
「魔法減衰のマントかなぁ?」
店員さんが指差す先にあるのは黒いマント。マントかぁ・・・
鑑定してみると坑魔のマントといってマジックリザードという魔法を弾く蜥蜴の皮を使った装備で魔法ダメージを10%無効化してくれるらしい。ないよりはマシの部類である。
「これは素材由来ですか?加工由来ですか?」
「そいつはマジックリザードの皮をなめしたものだから素材由来だな」
鑑定通り素材由来であることを教えてくれる。ということは強化は諦めた方がいい。
「ありがとうございます」
そういってマントを6つ持って会計を済ませる。
普段着は自分は装備数の制限で難しいが、今回は直前で着込めばいい。今日は一旦日本へ戻ろう。
「魔法に抵抗出来るアイテムですか?」
駐屯地ギルドの売店でも魔法に抵抗出来るアイテムがないか聞いてみる。
「ちなみにこれが異世界産の魔法に抵抗出来る装備」
ついでに抗魔のマントを見せる。
「鑑定しても?」
尋ねてきたので頷いて見せる。
「ほうほうマジックリザードですか・・・こちらでは聞かないモンスターですね」
なるほど、日本にはない素材ですか・・・
「50万円で買取しますよ?」
意外に高値が付くな・・・
「それほどですか?」
「中級魔法までだと微妙だけど、上級魔法のダメージを10%カットは十分魅力よ?」
店員さんは苦笑いする。そういうものだろうか?
「今度仕入れておきます」
「出来れば素材の方を卸してくれると嬉しいかな?マントより鎧に加工したほうが人気出ると思うの」
店員さんの提案は確かにと思う。マントで装備枠を潰すぐらいなら鎧の素材として加工したほうがいいだろうね。知らんけど・・・
とりあえずスライムの粘液を購入して売店を後にする。
「あ、九竜さん。指名依頼がありますがどうします?」
受付嬢が尋ねてくる。
「ドラゴンテイム。一匹なら受けます」
多分来ているのはドラゴンをテイムすることだと推測してそう言ってみる。
「あ、はい。そうです。まぁドラゴンテイムの依頼は100件超えているんですけど・・・」
受付嬢は申し訳なさそうにいう。というか100件って多過ぎませんか?
「依頼は依頼順にこなします」
とりあえずそう言って開拓者ギルドを後にする。
100件か・・・さすがドラゴン。インパクトが凄いなぁ・・・
家に帰るとそのまま異次元の扉を通って異次元に。色々な勢力から身を守るためにこちらに生活の拠点を移しているのだ。
「さてと・・・」
農夫職についたデュロックが育成した回復草を粉砕する。スライムの粘液と清水を入れて薬研でゴリゴリ・・・ゴリゴリ。撹拌スキルを発動しつつ中身を混ぜる。そして清水を足して煮る。
「布で濾して出来上がりっと」
回復ポーションの原液が出来る。もっとも中級スキルであるポーション作成を使えば簡単に作る事が出来るんだけど、スキルで作ると品質が均一化するんだよね。だから自分たちが使うヤツは丁寧につくるんだ。
スキルでポーション瓶を製作し、出来上がったポーションを注ぐ。封をして出来上がり。
次にスライムの粘液を粉砕し、鍋にかける。ドロドロに溶けたら器に流し込む。冷えればスライム飴の出来上がり。
こっちは魔法詠唱を阻止するためのものである。
次は短剣や独鈷杵、紅桃の金棒に聖属性を付与していく。これで王都ダンジョン第10階層最奥の攻略準備完了である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます