第115話 爬虫類の島
「ここが赤ヶ原ダンジョン・・・」
今日は王都から船で行ける小さな島のフィールドタイプダンジョンに来ていた。
赤ヶ原ダンジョン。その名が示すように赤茶けた広大な大地が広がる場所だ。生息するモンスターは中型の草食の四足獣とそれを補食する二足獣。
そこで取れるドロップ品を見たけど、どうやら恐竜です。本当にありがとうございます。
まあ、龍神丸の育成に最適だと判断します。
早速ダンジョンに繰り出す。まあフィールドタイプのダンジョンなのでどこからがダンジョンなのかは解りませが・・・
取りあえず龍神丸を先頭に紅桃と疾風が左右。その後ろを自分とペンタントちゃんという布陣で進む。
「うーん・・・まさかのノンアクティブ」
思わず唸ってしまう。
最初に遭遇したのは恐竜
ではなく体長5メートルはあろうかという巨大なイグアナ。
しかも生えているサボテンみたいな植物をもっさもっさと食べていて、こちらに気づいているだろうに襲ってくる気配がない。
「やるかい?」
紅桃が尋ねてくる。
「パス。アクティブなら倒したかもしれないけどこいつノンアクティブだし」
ということで先に進む。
「お・・・」
しばらく進むと再びモンスターと遭遇する。今度は巨大イグアナとそれを狙っているであろう体長2メートルの二足歩行のオルニトレステスという恐竜に似た四匹のモンスターがいた。
「漁夫の利を狙おう・・・」
そう指示を出し、近くの茂みに静かに身を隠す。
「ぎゃう!」
間合いを図っていた4匹のオルニトレステスが一気に間合いを詰める。
ビョン!という音とともにオルニトレステスが飛び上がり、巨大イグアナに飛びかかる。
ビッ!
巨大イグアナの目から赤いものが発射される。
「目からビーム!」
「なんだそりゃ?」
「そういう技?なんかネッドフリッカーのアニメチャンネルで放送していたアニメででやってた」
「なんじゃそりゃぁ?」
紅桃は首を捻る。知らなければ知らない情報だから仕方ない。
「ぐぎゃう!」
血の涙を浴びたオルニトレステスが悶絶する。
ぶん!
巨大イグアナの尻尾が一匹のオルニトレステスをぶっ飛ばす。
なんか、いけない方向にオルニトレステスの首が曲がっている。
「えげつなー!」
思わずそんな言葉が漏れる。
「ぐぎゃう!」
更にもう一匹のオルニトレステスが血の涙を浴びて悶絶する。
「近接は尻尾、中距離は血涙。なるほど草食だが備えは万全ってか?」
紅桃は腕を組んで考える。
「イグアナは放置で、もうー方の弱ってるトカゲを狩ろう」
悶えているオルニトレステスに近づいて紅桃は金棒を振り下ろす。
「ぐぎゃ!」
龍神丸がオルニトレステスの喉に食らいつく。
「わんぉ!」
疾風が十字槍を突き入れる。
残ったオルニトレステスがそれを見て逃げ出す。
巨大イグアナは獲物を横取りされたにもかかわらず全く動かない。彼の御仁からすれば襲いかかってこなければどうでもいいのかもしれない。
「よし素材として回収」
動かなくなったオルニトレステスを異次元の扉に回収する。
「わぁ!」
見るとペンタントちゃんの体がペカーと光っている。
「おぉお」
幼女姿だったりペンタントちゃんの身体が白い羽の小学校高学年の女の子ぐらいまでに成長している。
「おぉ種族進化か!」
「はい。ハーフアークエンジェルですね!」
ニコニコしながらペンタントちゃんは答えてくれる。
どうやらハーフであっても進化系統は同じらしい。
「種族スキルも同じかな?」
「はい。ライトニングスピア!」
バチバチと音をたてながら、ペンタントちゃんの右手に光の槍が現れる。
ぶん!バチ!
ペンタントちゃんが光の槍を振ると稲妻が走る。
「えぃ!」
ペンタントちゃんは光の槍を思いっ切り投擲する。
光の槍はバチバチと音をたてながら飛んで行き着弾すると派手な音とともに大穴が開く。
意外と洒落にならなかった。
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