第116話 爬虫類の島その2
「恐竜キター!」
回収したオルニトレステスを見て開口一番叫んだのはJ隊の
「後期ジュラ紀の北アメリカ大陸に生息したと言われる肉食恐竜だよ。ただ、発見された化石は1体だけというレア恐竜。というか恐竜いるのか!」
かっくんかっくんと前後に揺すられる。
「赤ヶ原ダンジョンというフィールドタイプダンジョンで、どうやら爬虫類の島ですね」
ダンジョンドローンに収録されている映像を再生して見せる。
「うわぁこのイグアナ、ツノトカゲっぽい。でもこの技、現実だと体液放出技だから、水分補給出来ないと乙るんだよね。ここも荒れ地で水分補給が難しいから割と自爆技っぽいね」
なるほど・・・ならイグアナの血涙対策をすれば楽に勝てるのかな?
「自分も仲間募って次の休みにここにテイムしに行くよ。情報ありがとう!」
烏山さんの目がマジである。まぁテイマーの人ってペット飼えないけどテイムモンスターなら飼えるって人もいるから、烏山さんとその同士の人たちもそうなのだろう。
「このあとも引き続き潜るので期待しておいて下さい」
種類的な意味で・・・
オルニトレステスの血抜きを行い木に吊すと、再び赤ヶ原ダンジョンに戻る。
しばらく進むと、背中に互い違いの板が並び尻尾に四本のスパイクを持つ有名な草食恐竜ステゴサウルスが群れで草をついばんでいるのが見えてくる。ステゴサウルスもオルニトレステスも後期ジュラ期の北アメリカに生息していた恐竜のはずだから時代はあっているのかな?
「ぎゃう!」
龍神丸がー頭のステゴサウルスに飛びかかる。
奇襲をかけたので、がっちり首に噛みついている。
ぶん
ステゴサウルスの尻尾が龍神丸の身体に刺さる。
「そうりゃあ!」
紅桃の金棒がステゴサウルスに叩き込まれる。
「わんぉ!」
疾風の十字槍がステゴサウルスの身体に刺さる。
「それ!」
自分はエルフ弓を放つ。
『弓術レベル1を取得しました!』
ほぇ?取得職業外スキルが取得出来ただと?
そう。基本的に取得した職業以外のスキルは取得出来ないとされている。
まぁ弓術スキルが無くても弓は使えるので気にしてなかったけど、スキルが取れるのなら話は変わってくるよね!
まぁ取得条件が難しそうではあるけど・・・
「ま、いいか!」
矢をつがえて放つ。お?確かに今までよりスムーズに弓が使えるよ。
命中率も上がっているような気がする。
「ぐぎゃう!」
やがて断末魔の叫び声を上げてステゴサウルスが倒れる。
なお、他のステゴサウルスはとっくの昔に逃げ出しているので周囲にはいない。
このダンジョンは探索というよりはハンティングがメインになりそうだ。
「よいしょ」
ステゴサウルスを回収して異世界駐屯地に戻ってくる。
獲物が大きいから仕方ないと言えば仕方ない。
血抜きしてから九十九志郎さんに引き渡す。
最初のー頭目だから多分剥製になるだろうとのこと。実際、オルニトレステスはそういう手筈になっている。
恐竜の肉はどうやら鳥肉っぽい。まぁワニの肉も淡白な鳥肉っぽいらしいから大して違いはないのだろう。
恐竜が進化して鳥になったらしいからね。
あと骨は骨格標本になるという。異世界のダンジョン産とはいえ姿形が似ているということは貴重なサンプルになるらしい。
「多分、赤ヶ原ダンジョンのモンスターを丸ごと納めてくれという依頼はくると思うよ?」
とは九十九さんの予想である。まぁ、日本のダンジョンと違って場所によっては全身が残るからね。
「皮は、防具に加工出来ますか?」
「多分出来るよ。むしろ日本のダンジョン産のものより品質高くなるだろね」
九十九さんは笑う。なら龍神丸のレベルアップも兼ねて狩っていこうか?
「ちなみに九十九さんなら幾らで買います?」
「一頭丸ごとなら2000万かな?ちなみに飛騨牛4頭と同じぐらい」
2000万は凄いけど、飛騨牛4頭分とか言われると凄いのかどうかが解らないです・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます