第105話王都ダンジョンその1
更に情報を収集する。この王都ダンジョンというのはその昔、そう300年ぐらい前に和一怒那と呼ばれた魔法使いによって創造された迷宮だ。
迷宮主自体はすでに討伐されているのだが、何度行っても迷宮の最奥の玄室で復活するらしく、今でも確認と討伐の部隊が派遣されているという。どこぞのゲームみたいだ。
基本、第1階層から第3階層。第3階層から第9階層まで直通のエレベーターがあり、第10階層に行くにはー方通行の落とし穴。第10階層には地上に直通のゲートがあるという。
第4階層から第8階層が全く意味がないというのが素敵である。
序盤の敵で厄介なのは第3階層に出没する急所狙いの首刈りウサギと広範囲攻撃魔法を放ってくるヒトモドキという人間型の中級魔法使い。どちらも率先して叩かないといけない敵だ。
「ヒトモドキですか・・・」
もっとも、王都からスピンアウトしたチンピラ、破落戸の類もダンジョンには潜んでいるので、相手が人かヒトモドキかで躊躇はしていられない。
殺人を犯す・・・あれ?思ったより忌避感ないな。まぁいざという時は紅桃や疾風、チビが対応してくれるというあるのかもしれない。
あと、スクロールの出所って人もしくはヒトモドキなんじゃないかな?なんとなくそう思った。
取り敢えず第3階層までで気を付けるのは、首刈りウサギと魔法使い。宝箱の罠では毒針。これは体力が少ない駆け出し冒険者にとっては重要事項だ。
まあ首刈りウサギの急所攻撃はレベルが高くても危険だけどね。
まぁ回復ポーションと解毒ポーションまたは回復魔法、解毒魔法があればなんとかなるけど、これも駆け出しには辛いよね。
まあ自分たちは既になんとかなるし、余りこの辺を徘徊する必要がない。
すぐに第3階層に潜ってエレベーターを起動させるアイテムを手に入れるだけだ。
お?第3階層までの地図が乗ってる・・・写メ写メ。地図をスマホに収めて、冒険者ギルドのと掲示板を眺めて、魔石の数を提出するクエストの提出する数を確認してギルドを出る。
パーティーメンバーは疾風、チビ、紅桃、ペンタントちゃん、カイヤに自分の6人。
王都ダンジョンで入ダン手続きをして第1階層に降りる。
壁は石積みで苔むしている。湿度は若干高く、風がないのでカビ臭い。
床は濡れていないので滑る事はないだろう。
スマホのマップを頼りに進む。
「ここからダークゾーン」
一歩進むと、辺りが真っ暗になる。
「うはっ。暗視が役にたたねぇ」
紅桃が叫ぶ。まぁスマホの電気も付いているのに見えてないからそういう空間なんだろう。
右を向いて一歩左を向いて直進。
プシュという音と同時に目の前が明るくなる。
「おぉ・・・エレベーターだね」
壁には1から3のボタンが設置されている。取り敢えず3のボタンを押す。
ギリギリと音が響いてチンという音がする。
「お、開いた・・・」
取り敢えず一歩踏み出す。二歩、三歩やがて扉が見えてくる。
『青い紋章を提示して下さい』
あぁ、キーアイテムがここで要るのか・・・
180度Uターンして更にエレベーターの前を通り過ぎ、もう片方の扉にたどり着く。
『エレベーター管理センター』
この奥にエレベーターのキーアイテムがあるハズ。ゆっくりと扉のドアノブを開く。
「吶喊!」
部屋の中に飛び込む。
戦士2侍1魔法使い2僧侶1。
「侍と魔法使いを優先!」
「よっしゃ!」
紅桃が指を後衛の魔法使いに差す。
「インドラの矢!」
指先から電気が迸り、後衛の魔法使いを貫く。
「わぉん!」
疾風の十字槍が侍を貫く。
「にゃあ!」
チビの剣が侍を斬りつける。
「ダークライトニング!」
ペンタントちゃんの持っているトライデントの先から黒い雷が後衛の魔法使いに命中する。
「回復!」
僧侶が杖を掲げると、緑色の光が魔法使いを包む。
「ファイヤーボルト!」
魔法使いの杖から火の矢が飛び出して、チビを焼く。
「回復ポーション!」
スペースから回復ポーションを取り出し、チビに投げる。
「にゃあ!」
回復ポーションを受け取ったチビがポーションの栓を抜き飲み干した。
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