第97話 スキルスクロールゲットだぜ!

「付与師のスキルスクロールはどこで買えますか?」


「スクロール屋じゃの」


 聞くと日本のダンジョンのようにモンスターからドロップしたり、色々な職業の基礎スキルをスクロールとして売ったりする商売があるそうだ。それは便利だね。

 ただスクロールは結構お高いらしく、金持ちの子供は早いうちからスクロールでスキルを得て修行を開始するので、若くて優秀に人材になるそうな。まぁ、親の心子知らずな案件はどこの世界でもあるようだけどね。


「付与師は属性を付与する魔導具を作れますか?」


「あぁ作れるよ。付与術式を刻むだけだからね。ただ、彫金術はあった方がいい。半皮紙とインクの術式は耐久性が低いからね」


 なるほど付与術を習得するのは簡単ではなさそうです。


「スクロール屋さんというのはどこに?」


「冒険者ギルドの裏だな。転職屋も同じ建物で引き受けている」


「ありがとうございます。あぁ、先に彫金術ですかね?」


「そうじゃな取得したらギルドに来なさい。登録すれば仕事を斡旋出来る」


「そんなに簡単に登録していいのですか?」


「スキルアップには数をこなす必要がある。初心者であってもスキル持ち作品なら商品になるぞ?例えば使い捨てカイロなら温感冷感と需要は一年を通じてあるしの」


 なるほどなるほど・・・それは良いことを聞きました。


「行ってきます」


 屋台で売れるものが増える予感!早速向かう事にします。



 冒険者ギルドの裏にあったスクロール屋で冷やかしです。


「これが一覧だよ」


 スクロール屋の店番をしていた魔族のお兄さんが水晶板を差し出す。

 水晶板はなんというか、タブレットです。表面をタップするとスクロールとかするし、知りたい情報も入力すれば出てきます・・・これ欲しい。


「これはどういうものですか?」


「あぁ、情報記録の端末だよ。あそこにある水晶に登録すれば在庫とか自動で管理してくれる」


 わぉ意外に凄い技術がある。


「遠隔地と情報やり取りできたら便利そうですね?」


「有翼人の郵便か。あれは便利だね」


 通信・・・みたいなものは無いという。聞くと、朝昼夕方に有翼人が来てお手紙を運んでくれるサービスがあるらしい。

 それで、モノを送ったり取り寄せることも出来るので、不自由はしていないと・・・まぁ、マジックバックがあるから物流のついでに情報のやり取りもするでいいのか。24時間一瞬で地球の裏側まで情報のやり取り出来る日本が地球が異常なだけだ。


「新聞とかは無いのですか?」


「新聞?」


 どうやら無い模様。簡単に説明する。


「あぁ、ないない。だいたい情報は金になるし、上も隠したい、操作したい情報もあるだろ。自由に情報を流通させる訳が無い」


 魔族のお兄さんは豪快に笑う。まぁ情報メディアは一長一短よね。売り上げを気にしだすとデマ、捏造を平気でやるし、自分たちに有利な情報しか流さなくなるし・・・


 こほん。


 取り敢えず水晶板を眺める。

 彫金師スキルに付与師スキル・・・うん。野盗の人たちのお陰で余裕です。金貨15枚。お支払。

 ちなみに該当スキルがあれば転職屋に行けば何時でも転職出来るらしい。

 スクロールを購入して店を後にする。

 スキルを取得して日本のダンジョンで転職出来るか実験だ。出来なければ改めてこちらで転職すればいい。

 次は神殿だ。



「えぇっとここが神殿?」


 通りすがりの人に教えてもらって来た神殿は神殿というよりは普通の屋敷だった。まぁ規模は流石に大きいが・・・

 中に入ると部屋の奥に髪を金色に塗った少しふくよかな体に片乳を豪快に露出させた女性像と、髪を銀色に塗ったガリガリの体の片膝立てて座る男性像があった。これがこの国の女大神と男大神像か・・・

 そしてその足元には5人の男と女の像が座った形で鎮座している。髪がそれぞれ赤、青、緑、暗い灰色、茶色をしている。

 これが火、水、木、金、土の五行神だと当たりを付ける。


「神社にようこそ」


 シャランシャランと鈴の音を響かせながら、どう見ても巫女。ただし片乳を堂々とポロンしている頭に鹿の角が生えた女性が姿を現した。

 衣装は女大神準拠ですね?分かりマス。

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