第27話 契約しましょうそうしましょう
取りあえず全員に習得している魔法を披露して貰う。威力はハーフエンジェルのペンタントちゃん以外は望み通りのものがあった。あったけど・・・
「ところでペンタントって天使と何のハーフなの?」
「私は、あ、悪魔とのハーフです・・・そもそも悪魔というのは、元は地方の神さまである事が多くて、キリスト教が広まるにつれて悪魔に落とされたって経緯があってですね。一部の悪魔って天使と表裏一体なんですよ・・・」
ペンタントちゃんの説明に、彼女が聖・闇の魔法が使えることの理由を知り、なるほどと思う。ただ、私はってことは人間とか悪魔以外の間にもハーフがいるってことかな?
「たちまちは明後日の原爆ドームダンジョンだし、ペンタントちゃんと契約します」
自分がタキシードの女性に告げると、タキシードの女性は懐から2枚の紙を取り出し、万年筆を添えて渡してくる。
「MPを注いでもらえれば署名出来ます」
なるほど・・・契約書の内容を読んで問題ないと確認し、魔法を使うように意識すると、万年筆がぼんやりと光る。
自分の名前を2枚の書類に書き込み、ペンタントちゃんに渡す。
「あ、ありがとう、ございます」
はにかみながらペンタントちゃんも書類にサインする。
ボウと契約書が光り、ペンタントちゃんとつながった感覚が感じられる。
よし、ステータスオープン。
種族ハーフエンジェル
名前ペンタント
性格中立/秩序
職業魔法使い
性別女
レベル2
体力16/16
MP10/10
力4
頭脳12
知恵16
耐久6
敏捷4
器用10
スキル
聖魔法レベル2
闇魔法レベル2
レベルの割りに頭脳と知恵が高いのと、聖魔法・闇魔法のレベルが2というのは心強い。
「宜しくね」
ニッコリと笑って握手。スペースから先日拾った杖を取り出し、ペンタントちゃんに渡す。
「よろしいのでしゅ・・・すか?」
「いいよドロップ品だし」
ペンタントちゃん、噛んだようだけど気付かない振りをして話を続ける。
「取りあえず実力とか見たいから、このまま海田の中級ダンジョンに行こうか」
「はい」
ペンタントちゃんは小さく頭を下げた。
「と言うわけでやってきました陸自駐屯地ダンジョン」
チビと疾風とペンタントちゃんを召喚し、ドローンカメラを立ち上げ、いつものように配信を始める。
『おや?新顔ががが幼女キター!』
『幼女が仲間になったと聞いて!』
『鎮まりたまえ!』
「いや鎮まって下さい。紹介します。新たに仲間になったハーフエンジェルのペンタントちゃんです」
取りあえずざわついているコメント欄を静める。
『テイムしたの?』
「いえ。ペンタントちゃんとは契約ですね」
『テイムとは違うんだ』
「そうですね。テイムとは少し違います。まあ、テイムスキルがあると契約の条件が緩和されるのと、天使や悪魔の居住に困らないんで便利なんですけどね」
『いいなぁ。俺も幼女侍らせたい・・・』
『お巡りさんコイツです』
『言うても、天使や悪魔がいる地域は少ないからな』
『有名な寺院とか教会とか神社に出来たダンジョンだっけ?』
『そうそう』
『神社だと天女とかになるんだっけ?』
『そう』
『悪魔は日本だと何になるの?』
『魔羅かな?』
『だんこん!』
コメント欄がカオスになってる・・・
「という訳で、8月6日に向けてペンタントちゃんとの連携を確認しにきました」
無理やり話をぶった切る。
『なるほど理解した』
「では進みます」
サクサクと進み、中級中層である20階層に至る。この階層からは、オークが出現し始める。
「ブゴー」
上半身裸の豚頭が口から泡を飛ばしながら棍棒を振り回し、こちらに向かってくる。2メートル超えの巨体で、意外に機敏だ。
「ペンタントちゃんはまずダークネスでオークの視界を奪って!チビ、疾風、オークの両足を狙って!ひっくり返ったらみんなでタコ殴り」
「はい」
「わんぉ」
「にゃあ」
みんなの声が綺麗にハモった。
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