第24話 アンデッドがメインのダンジョンその4
「ゴーストから確実に仕留める」
「わんぉ」
「にゃー」
疾風とチビがあっという間に間合いを詰める。
その間に腰に吊ったパチンコを取り出し、スライム飴を装填する。
「水ノ精霊ヨ顕現セ、イダ!」
スピリットが呪文の詠唱を始めたのですかさず妨害する。
「マ”!」
相手をしていなかったゴーストが叫ぶ。ゴーストのスキル『死霊の叫び』だ。抵抗に失敗すると動きが少し鈍る。
よし。抵抗した!
「わふぅ!」
「にゃー」
疾風とチビが襲いかかってきたゴーストに反撃する。
「そぉい!」
ゴーストが避けそうな位置に目掛けて回復ポーションを投げる。
「アガッ!」
回復ポーションの直撃を喰らって悶えるゴースト。
「わふぅ!」
疾風の
「グッ!」
ぐもった声を挙げてゴーストが霧散する。
「スピリットは抑える。残りのゴーストを!」
そう指示を出してスピリットと対面する。
スピリットはゴーストの上位モンスター。
魔法はスライム飴で妨害出来るので、気を付けるとすれば死霊の指と呼ばれる接触スキル。
抵抗出来なかった場合、触られた所が3分ほど麻痺する。利き腕なら武器を落とす足なら動きが鈍るので脅威度が高い。
まあ、うちには万能薬が作れる水饅頭がいるので、そこまで脅威度は高くないんだけどね。
避ける。避ける。スライム飴をぶつける。避ける。回復ポーションをぶつける。で少しづつダメージを与えていく。
「わんぉ!」
「にゃあ!」
ゴーストを倒したのか、疾風とチビがスピリットの攻撃に加わる。
「よし。一気に決めるよ!」
スペースからお札を取り出すと、右手の人差し指と中指にお礼を挟んで構える。
「ウラメシ~」
スピリットが叫び声を上げながら突っ込んでくるが、すっとかわしてその額にお礼をペタリを貼る。
「アガッ」
スピリットがポトンと地面に落ちる。
「殴れ!蹴れ!」
疾風と自分で殴りチビがヒールを宿した肉球でペシペシと叩き水饅頭がボディプレスを敢行する。
ボフン
ほどなくしてスピリットは光となって消え、魔石と鉄の宝箱を落とす。
『お疲れ!鉄箱か』
『まあ順当?』
「ええっと鑑定!罠は・・・爆弾ですね」
さっさと罠を解除して中身を確認する。МР回復ポーションが2本と魔法の杖・・・おお?魔法攻撃にプラス2の追加ダメージの補正が付くヤツだ。
『次は魔法を使えるヤツをお迎えせよという天の掲示では?』
「となると、原爆ドームダンジョンにいる天使か悪魔が候補になりますね」
厳密にいうと天使に見える白い鳥の翼を持つ亜人と悪魔に見える黒い蝙蝠の翼を持つ亜人だ。
彼らの最大の特徴はカタコトだけど喋って意志の疎通が出来る事。
まあ、テイムしたモンスターとテイマーの間でも意志の疎通は出来るけど、彼らとはテイムしなくても会話が成立するのだ。
『そう言えば、広島はそろそろ平和祈念式典か』
『年に一度、数日間のボーナスタイムだっけ?』
『せやで。羨ましいなぁ上級ダンジョンの難易度が下がるなんて』
コメント欄でリスナー達が会話を始める。まあ、上級ダンジョン中層は、上手く立ち回れば中級ダンジョンの最下層のボスを倒して手に入れる収入の三倍ぐらいのお宝が手に入るというからね。
「まあ、目標は上級中層ですよ」
『お?ドラ権は8月6日に潜るんだ』
「はい。友人と一緒に潜ります」
『それは楽しみ』
「では当初の予定通りテイム能力を最低でも8にするまで最下層で狩りを続けます」
そう言って最下層の第5階層に向かう。
第5階層はスケルトンの素材?が人間から一回り大きなモンスターになる。
頭蓋骨の形状から、オークやオーガだと思われるけど、生前のオークやオーガに比べると性能が6割ぐらいに落ちるらしい。まあ筋肉が無いからね。
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