第23話 アンデッドがメインのダンジョンその3
『お疲れさまです』
『第3階層ぐらいなら危なげないな』
『それな』
コメント欄から指摘が入る。
「ありがとうございます。えっと、ドロップは鉄箱とローブとロングソードと魔石ですね」
そう言って鉄箱に鑑定をかける。罠は毒針なのでさっさと解除。
中身は信長コインと皮の手甲。手甲は疾風に装備させて、ロングソードはチビに装備させて残りはスペースに放り込む。
「次の階層に移動します」
第4階層は、スケルトンやスケルトンウィザードに加えゴーストが出現する。
ゴーストは空中に浮遊しているのでこちらの近接攻撃が襲いかかった瞬間にしか出来ないけど、ここで活躍するのが一度沸騰させて塩を溶いて冷ました水だ。魔法が使えなくても塩水を水鉄砲でぶつければ何とかなる。
「ウラメシ~」
実にらしい声を上げながら、靄のようなものがふわふわと空中を漂いながらやってくる。
すかさず腰に吊っていた塩水を入れた水鉄砲を構えて発射する。
「ギャアァァ!」
このように、塩水を振りかければゴースト系を撃退することは容易いのです。まあ、ゴースト系はドロップ品を殆ど落とさないので、この塩水噴霧が考案されるまでは『回復ポーション喰い』または『MP喰い』と呼ばれてとても嫌われたモンスターでした。
「カタカタ」
骨を鳴らしながらロングソードと盾を装備した2体のスケルトンが寄ってくる。
「わんぉ!」
疾風が一気に間合いを詰め、それに続くチビ。
ガッ
疾風の
「にゃあ!」
チビがスケルトンが盾をかざしたことで出来た隙間に滑り込みロングソードをかちあげる。
ガシャン
左腕ごとスケルトンの盾が跳ねとばされる。
「しゃあ!」
返す剣で近よってきた無傷のスケルトンに切りかかる。
ギン
チビのロングソードとスケルトンのロングソードがかち合う。
「わんぉ」
疾風が片手を失ったスケルトンを蹴り飛ばす。
「♪」
水饅頭が体内から万能薬を吹きかける。万能薬はスケルトンの右足大腿骨に直撃する。
それで大腿骨が割れて、スケルトンは大きくバランスを崩して倒れる。
グシャ
疾風が小さくジャンプしてスケルトンの頭蓋骨を踏みつぶす。
「ぎにゃあ!」
チビが叫ぶ。見ると右腕から血を流している。切られたか!
「チビ!」
回復ポーションをチビに向けて投げる。
回復ポーションは上手くチビの右腕に当たり淡く光る。
「わんぉ!」
疾風がスケルトンの背後に回りこみ、
ガシッ
スケルトンは大きく体制を崩す。
「にゃあ!」
チビのロングソードがスケルトンを右肩から袈裟切りに切り裂く。
あとに残ったのは2つのスケルトンの魔石と盾。
「盾はチビが装備して」
『ショルダーアーマが欲しいね』
『疾風の分もなるはやで』
コメント欄からツッコミが入る。まあ確かに欲しいけど、先立つものがね・・・要検討ということで。
「いくよ」
第4階層のボス部屋の前で準備を整える。
攻略サイトの情報によると、第4階層のボスはスピリットとゴースト。スピリットは、ゴーストの上位種でゴーストと同じように空中を浮遊している上に物理攻撃に若干の耐性があるのと、低レベルだけど水魔法を行使してきます。
もっともスライム飴による呪文詠唱妨害と塩水の噴霧で一気に攻略の難易度が下がったモンスターでもあります。
ギリギリとボス部屋の扉が開いていく。
そろそろと部屋の真ん中近くまで行くと、空中にボヤっとした3体の靄が・・・
「ウラメシ~」
「「ウラメシ~ヤ」」
真ん中の一際大きな靄が足のない人の形・・・和風の幽霊に、両脇の靄がシーツに顔のある西洋風のお化けに変化する。
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