第6話 今の琉生
「琉生・・・」
「だから、誰ですか?僕は、あなたのことなんて知りません!付きまとわないでください!ストーカーですか?」
「・・・」
(一人称も違う・・・)
今までの琉生は、<俺>が一人称だった。
なのに、今の一人称が<僕>だということは、記憶がなくなっている証拠だと言えよう。
「ねぇ・・・琉生・・・・くん」
「なんですか?」
「琉生って名前、馴染みある?」
「医者の人やあなたが言っているので、やっと慣れてきました」
「そっか」
「要件はそれだけですか?」
「あ、ううん」
「もう、なんですか?」
「記憶喪失になる前の琉生はね、女子力が高かったんだ」
「呼び捨てやめてください。女子力?」
「女子力っていうのはね、女の子がやりたがる、キーホルダーとか、そういうのを作るのが得意みたいな意味。前の琉生くんは、そうだったんだ」
「実物を見せてください」
「ちょっとまってて、取ってくる」
**************
「はぁ、はぁ・・・」
「大丈夫ですか?」
「うん、だ、いじょう、ぶ」
「ほんとですか?」
心配そうな琉生の顔。
「うん。これが実物」
「わあ・・・!」
「気に入った?」
「はい・・・!」
「私のは、ちょっと下手だけど」
「作ってみたい」
「いいよ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます