第5話 記憶喪失

「どうやら、琉生くんは木がクッションになり命に別状はないですが、そのときに家の壁などに頭を打ってしまったようで・・・これから言うことを、覚悟して聞いてください。琉生くんの病名は・・・」

そんなこと、言われなくてもわかっている。

でも。

でも、一縷の望みにすがる。

「記憶喪失です」

「でも、一時的記憶喪失っていうのもあるんでしょう?その可能性は?」

「精密検査をたくさんしました。そして、一時的な方ではありませんでした」

「・・・ありがとうございます」

「琉生・・・」

梨々花は、すやすや寝ている琉生の顔を見つめた。

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