第93話 ダンジョンボスへ

レベルが200を超えたことで、一気にステータスが上っていた。上がる前の状態でも、かなり強くなったと実感していたけど、さらなるパワーアップで僕らはさらなる希望を持った。


「うんじゃ、明日はいよいよダンジョンボスに挑戦するぞ」

「ダカラ、ムリッテイッテルダロウガ」

「ポンコツ、今でも無理なら一生無理だ。時には冒険も必要だってことだぞ」

「フンッ、ゼンメツシテモシラネエカラナ」


「とういか、ゴンはダンジョンボスの事をよく知ってるのよね? 情報を聞いておいた方がよくない?」

「そうだな、おい、ポンコツ、ダンジョンボスってどんなモンスターなんだ?」

「ヘカトンケイル、ヲ、イチゲキデホフルコウゲキリョク、エンシェントドラゴン、ヲモウワマワルマリョク、チョウカイフクガアリ、ムゲンノタイキュウリョクヲホコル、ソンナヤツダ」

「なんだよそれ! もう、バケモンじゃねえか! せめて弱点とか、ねえのかよ」

「ジャクテンハナイガ、ホボ、スベテノジョウタイイジョウハムコウダ」

「ダメじゃねえか!」


「ゴンが言うのが本当だったら、とても勝てる相手じゃないね」

「嘘に決まってんだろ、そんな化け物なんて存在するかよ」

「私もちょっと大げさだと思う。メルティライナーはバランスの良いゲームだったから、そんな無敵ボスなんて存在しなかったはずだよ。ゲームの設定が大きく反映されている今の東京だから、バグ級の強敵ボスがいる可能性は低いと思う」


その後みんなで話し合ったけど、やはりゴンの言う事が大袈裟という結論にいたった。僕たちは予定通り、明日、ダンジョンボスに挑戦する。


「さて、明日の挑戦も決まったことだし、拠点に戻って休もうぜ」

「休むのもいいけど、ゴンからさらに情報収集するのと、準備もしないと」

「そうだね、ゴンの話が大袈裟だとしても、強敵なのは間違いないだろうし」


ゴンは自分の話を誰も信じていないことが気に入らないのか、ちょっと不機嫌でむすっとしている。



屋敷に戻ると、すぐに食事の用意をした。メニューはヒマリの強い要望により、オムライスに決まった。朝陽や理央はちょっと不満そうだったけど、僕はオムライス好きなこともあり、ちょっと嬉しかった。


食事も終わり、各々、お風呂や、晩酌など、少し自由な時間を過ごし、寝る前に明日のミーティングを行うことになったのだけど……。


「さて、弱点が無いのは聞いたけど、決まった攻撃パターンとかはあるの?」

「ソンナノ、シルワケネエダロウ」

「気を付ける攻撃とかはねえのか?」

「ゼンブノコウゲキガ、ハカイテキダ、ゼンブキヲツケロ」


「役に立たねえぞ、このポンコツの情報」


正直、ゴンの情報では戦略など練るのは難しいということにみんな気が付いた。なので、できる限りの準備をして、後は行き当たりばったりでなんとかするという、あまりよくない作戦が決まり、ミーティングは終わった。

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