第92話 凄い成果
朝陽は、無謀なのか勇敢なのか、ブラックドラゴンのブレスに怯むことなく接近する。ブラックドラゴンはそんな朝陽の接近に対して、吹いていたブレスのターゲットを変えた。
広範囲攻撃のブレスに対して、朝陽は驚異的な回避行動を見せる。素早いだけではなく、トリッキーな動きに、ブラックドラゴンも翻弄される。
その間に僕と恵麻とゴンはブラックドラゴンの視界を避けて近づく。
「よし、もう少しで射程に入るよ!」
だけどそう簡単ではなかった。ブラックドラゴンはある一定の距離に近づいた瞬間、何か感覚で接近に気づき、こちらを向いた。
朝陽が危険を察知し、ブラックドラゴンの頭部に攻撃を加えて気を反らしてくれようとする。さらに理央やヒマリも援護して、ブラックドラゴンの気を引いてくれた。
だけど、一度、こちらを向いたブラックドラゴンの戦意は変わらなかった。ブラックドラゴンは大きな口を開けてこちらにブレスを噴こうとする。
その瞬間、僕と恵麻の護衛だったことを思い出したのか、ゴンがブラックドラゴンに突撃する。そしてジャンプすると、頭から思いっきりブラックドラゴンの頭部に向かって突っ込んだ。
ゴンがブレスを吐く直前のブラックドラゴンの口を閉じさせるように当たる。さらにかなりの威力があったようで、ブラックドラゴンがよろめく。
この隙に僕と恵麻は攻撃の射程に入れた。すぐに攻撃を開始する。
「衰退せよ!」
恵麻の弱体と状態異常がブラックドラゴンに入る。眠りは無効だったようだけど、麻痺は効果があったようだ。そこから猛毒のスリップダメージが高速でメッセージに表示されだす。
弱ったブラックドラゴンに、僕は追撃するように必殺の一撃を放つ。
「鉄槌を!」
なぜか、いつもより派手なエフェクトが起こる。そしてブラックドラゴンがペチャンコになるんじゃないかと思うほどの強烈な衝撃が、ブラックドラゴンの上から下へ向けて落ちてくる。
「うっ……嘘だろ……みんな、ダメージ表示を見てみろ」
朝陽が僕の幸運の鉄槌のダメージを見て驚く。僕もその数値には正直、唖然とするほど驚いた。
12億越え……一撃で二桁億ものダメージを叩き出したのだ。
「とにかくチャンスだ! みんな一斉攻撃でとどめを刺すぞ!」
その朝陽の号令に従い、僕は神撃の数珠で追撃を行った。みんなも各々、最大級の攻撃でブラックドラゴンに攻撃を集中した。ブラックドラゴンは恵麻のデバフや麻痺により反撃もできずにそのまま倒れ、派手なエフェクトとともに消滅した。
レベル1260のエリアボス、間違いなく強敵だったブラックドラゴンを僕たちは倒した。それもそれほど苦戦せず倒せたことで、自身と、あと、信じられないほどの経験値を得た。特殊エリアで経験値がアップしてることもあり、僕たちは一気にレベル200台に突入していた。
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