第84話 ジョブアップグレード

恵麻のジョブアップグレードにより、ステータスもとんでもなくアップしたようだ。確実に強くなっているようで、他のみんなのジョブアップグレードも楽しみになってきた。


「次は俺がやってみる」


碧がそう言う。彼の今のジョブはチャンバラナイト、チャンバラが取れることを願ってるけど果たしてどうなるのか……。


恵麻と同じように碧のインベントリに神託の宝珠を入れ、アイテムを実行する。すぐに碧の体は光に包まれて変化が始まった。


「どうだ、恵麻、俺は何になったんだ? ナイトか!」


光が収まると、碧はすぐにそう聞いた。


「えと、ジョブ名は【準武神】、ジョブランクはEX、さらにユニークスキル【剣武一筋】が発現したみたい」

「剣武一筋?」

「剣属性の武器しか装備できなくなるけど、剣を装備した時、強力なボーナス補正を得られる」

「うおっ 強力な補正って、どんな補正なんだ!」

「最終攻撃力が三倍、さらにクリティカル値が十倍、さらにさらに、耐久力が五倍アップ!」

「来た来た! 凄えじゃねえか!」

「ああ! これで、ちゃんとした前衛として戦えそうだ」


さらに碧は武神、いや準武神らしくとんでもなくステータスがアップした。ちゃんとした前衛どころか、かなり強力な前衛に成長したと思う。


「よし、じゃあ、次は俺がいくか」


三番目は朝陽が志願した。朝陽はエンチャンターbという職人ジョブだけど、どう変化するか楽しみだ。


「どうだ、どうなった恵麻?」

「うわ……いや、考えようによっては悪くないのかも」

「いや、うわ……ってなんだよ、そこが気になるぞ」

「朝陽のジョブは【暗躍者】、ユニークスキル【偽装】と【影に生きる】が発現したよ」

「えっ!? エンチャントはどうなった?」

「大丈夫、通常スキルとして残ってるから、今後も使えるよ」

「しかし、暗躍者か、よくわからんな」

「暗躍者はまだ未知数のジョブだけど、発言したユニークスキルは凄いよ」

「【偽装】と【影に生きる】なんて凄そうに聞こえねえけどな」

「【偽装】はあらゆるもを別の何かに見えるように変える能力で、本物と区別付かないくらい精巧にできるそうだよ」

「ほう、しかし、目くらましくらいにしか使えそうにないけどな」

「あらゆるものってのがポイントで、たとえばみんなのステータスを改ざんして見えるようにすることもできるくらいだから、使いようによっては便利でしょ?」

「おっ、それが出来るなら確かに使えそうだな」


「えっ、ステータスを改ざんしてどうするの?」

「馬鹿野郎、当たり前のようにしているけど、俺たちは初探索で、レベル100オーバーになるとか、わけわからんあことになってるんだぞ。このまま冒険者データの更新なんかしてみろ、パニックで都政府がひっくり返っちまうぞ」

「ええ、じゃあヒマリのこの強いの隠さないといけないってこと?」

「必要以上に目立つ必要はねえだろ。下手したら、情報収集だあ、スキル分析だあと都政府に付きまとわれて、自由に行動できなくなる可能性だってある」

「それは確かに嫌だな」


「それで、朝陽のもう一つのスキル【影に生きる】はどんなスキルなの?」

「あっ、えと、【影に生きる】はサブジョブスキルで、ジョブ【忍者】の能力を得るみたい」

「なっ!?」

「うわっ、朝陽、忍者になったんだ! かっこいい!」


忍者は人気ジョブの一つで、確かランクAの万能職、それがサブジョブなんて、とんでもない強化になったのかもしれない。

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