第67話 鑑定続き
「恵麻、鑑定を続けようぜ」
「うん、ちょっと待ってね、次は【UR】マジックアイテム見てみる」
「ところでマジックアイテムてどういう定義なんだろうな」
「どういう意味だ?」
「だってさっき鑑定した指輪だって、魔法の品って言えばそうだろ? 色んなもん出てくるし、一番、よくわからん表記だよな」
「たぶん、ゲームのカテゴリー分けが影響しているんだと思うけど、現実で考えるとわかりにくいよね」
ゲームの設定と現実がごちゃ混ぜになっている今の東京では、よくわからない定義も多く存在する。現実的な考えより、今の東京的な考えってのが生まれてきてるような気がした。
「凄い、これってかなり強い攻撃アイテムだよ」
【UR】マジックアイテム鑑定が終わった恵麻がそう報告してくる。
「どんな攻撃アイテムなんだ?」
「名前は神撃の数珠、回数無制限の無属性ダメージのアイテムだよ」
「回数無制限だって! 何回も使えるのか!」
「うん、ダメージ量は運に依存されるし、これは健太が持った方がいいね」
「やった、ケンタワンド以外の攻撃方法が欲しかったから嬉しい」
本当にうれしかった。これでケンタワンドの温存時にやれることが増える。みんなもニコニコ嬉しそうに祝福してくれた。
「次は【SR】腕輪だよ、腕輪って初めてのカテゴリーだね」
「腕輪なら誰でも装備できるな」
「ヒマリの腕に入るかな……」
ヒマリは自分の細い腕を伸ばして見て、そう心配そうに呟く。
「指輪とかもそうだけど、ドロップ品の装備って、ある程度サイズ調整してくれるからたぶん大丈夫じゃないかしら」
そう、ドロップされた装備品は装備時にサイズを自動で調整してくれる。この便利設定のおかげで、サイズの心配をすることはなかった。
「出たよ、よかったわね、ヒマリ用の装備だよ」
「えっ! ほんと! やった~」
「雷属性装備ってことか」
「うん、具体的に説明すると、(スキル【雷神の隠し火】(雷属性攻撃時に、追加で火属性ダメージを与える。このダメージはチェインライトニングやショックなのど付与効果時にも適用される)、雷属性攻撃力150%アップ、敏捷力+50)。火属性追加ダメージが強そうだね」
ヒマリはようやく自分用のアイテムが出たことで嬉しそうにしている。
「次は【SR】マジックアイテムだね」
「マジックアイテム多いな」
「その他アイテム的な位置だし、仕方ないんじゃない」
「わかったよ、これ便利かも」
「便利とは珍しいのが出たな、で、どんな効果なんだ」
「防御結界を作るアイテムで、モンスターの侵入を防ぐエリアを人工的に作れるものだよ」
「なんだと! じゃあ、安全地帯をどこにでも作れるのか!?」
「出力に限界があるから、どこにでもってはいかないけど、比較的モンスターの少ない場所なら設置できそう」
「それでも大きいわね、これで休息時に見張りをしなくても大丈夫かも」
「そうだな、状況によっはそれもありだな」
「最後に【RR】マントの鑑定するよ」
「マントも初だね」
「マントか、見た目的に俺が欲しいな」
「朝陽も見た目とかきにするんだ」
「いや、マントとか憧れねえか?」
「別に憧れないわよ。暑苦しそうでどこがいいのよ」
基本、露出度の高い恰好をしている理央にとっては魅力はないようだ。
「マントは誰が付けてもいいかも、防御力10%アップに全ステータス10アップと無駄にならない性能だよ」
誰でもいいということで、話し合いにより、マントは希望の強かった朝陽が装備することになった。
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