第52話 クエスト完了

オーガキングの討伐と、レベルアップの知らせが表示される。さらにオーガキングからいくつかのドロップも表示された。


【UR】帽子

【SR】腕輪

【素材】太郎豆

【素材】エフの絹

大魔元石×3


「よし、倒せたな」

「レベルすげー上がったぞ」

「ボス級のレベル550だからね、そりゃ上がるでしょ」

「それより、【SR】腕輪がドロップしたよ、腕輪にはジョブスキル関連の補正がよく付くから楽しみ」

「装備品でそんな特色があるのか?」

「わかりやすいのだと、鎧には防御関係、武器には攻撃関係っていうふうに付きやすい補正はあるから、まあ、それでも異色な補正の付き方があったりして、それも面白いんだけどね」


「ドロップした装備の話もいいんだが、そういや孫たちは大丈夫か」


オーガキングとの戦いで、広範囲に攻撃が広がったこともあり、集落の人が巻き込まれたか心配になった。しかし、オーガキングの範囲攻撃も集落の人たちまでは届いていなかったようで、無事のようだった。


「おっっ、皆、無事なのか!」

「じいさん!」

「ヒサ! マサ! 無事じゃったか!」

「おー ジロウタ! おっかあだぞ」


いつの間にか集落の人々が集まり、捕まっていた人たちと再会を喜び合う。ベストタイミングと言うか、ゲームのフラグありきの展開というか、都合の良い進行にちょっとあぜんとしてしまう。


「どうやら婆さんも孫と再会できたようだな」


朝陽の言葉に反応して見ると、あのお婆さんが小さい子、それに笑顔の男女と再会を喜んでいる。幸せそうなその顔に、僕たちの判断は間違っていなかったと思い、嬉しくなった。


「ちょっとあれ見て」


大円団のさなか、理央が何かを見つけたようで、そう声をかけてくる。見ると、なんとそこには下へと続く階段が現れていた。


「どうやらこのクエストが、階層クリアの条件だったようだな」

「えっ、じゃあ、さっきのが階層ボスだったんだ」

「ちょっと待てよ、じゃあ、ボス討伐の報酬はどこにあるんだ」

「どうも、今回はそういうのはないみたいね」

「なんだよ、結構、強かったぞ、オーガキング、なんかくれよな」

「でもドロップはあったからいいんじゃないかな」

「あっ、そうだ、おばあちゃんちに戻って早く鑑定しようよ。ヒマリに合う装備だったら嬉しいな」


そのヒマリの言葉に対して思いついたように朝陽がこう提案してきた。

「それなんだが、このまま下の階層にいかねえか?」


「えっ! 休まないの?」

「どういう理由だ?」


「このクエストのリセットの条件がよくわからんしな、このまま俺たちは、婆さんたちとは関わらないようにして、去った方がいいじゃねえかと思ってな」

「確かに、それが無難かもな」

「そうだよね、変にかかわってまた話が戻ったりしたら可哀そう」


ということで、お婆さんたちをなるべくそっとしておいて、僕たちはこのまま階段を下りることを選択した。できればもう一泊くらいしたかったけど、仕方ないかもしれない。


最後にお婆さんたちの喜ぶ姿を見ながら僕たちは階段を下りて行った。幸せそうな笑顔を見ると、この先に何が待ち受けているかわからないけど、きっと良い結果が待ってると信じられた。

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