第41話 ヤバい鑑定
ヒマリは嬉しそうに踊り続けているけど、放っておいて鑑定は続いた。
「【LR】マジックアイテムなんて凄そうだよね」
「うん、これは神アイテムの予感だよ」
実際にそは神アイテムとよべるものであった。
「うわっ、これ、万能の回復アイテムだ」
「えっ? ポーションだったの?」
「ううん、そうじゃないの、ポーションと違って、使用回数の制限がない回復アイテムだよ」
「そんなのあるの? 便利過ぎないそれ」
「びっくりするくらい便利だと思う。しかもスキルのクールタイムは二十秒だから、かなりの頻度で使えそう」
「でも、それだけ高性能だと回復力とか微妙だったりして」
「そうでもないよ、最大HPの30%回復だから、レベルが上がれば上がるほど効果を感じるかも」
アイテム名は癒しの女神像、持って祈って使うようで、ヒーラーがいない僕らのPTでは活躍間違いなしの神アイテムだ。しかも使用回数の制限がないとはなんとも最高の回復元である。だけど、そんな神アイテムにも弱点はある。やはりポーションと比べると、回復速度は遅く、戦闘中に使うには工夫が必要だと思われた。
さらに【SR】マジックアイテムをする。こちらはスパイダーネットというアイテムだった。敵を拘束状態にするもので、使い捨てだけど、どんな敵も一時的に自由を奪える強力なマジックアイテムだった。
【SR】ルーンストーンはスキル【雷神】で、(雷属性攻撃力130%アップ、チェインライトニングダメージ150%アップ、敏捷力30アップ)とヒマリ用の付与であった。彼女の踊りが延長されることがこれで決まった。
さらにボス報酬の宝箱から出た三つの丸い水晶も鑑定したんだけど、これがヤバいものだった。
「わわわっ! このアイテム、ちょっとヤバいかも!」
「そんなに? 何がどうヤバいんだ?」
「神託の宝玉、上位ジョブにアップグレードするアイテムなんだって」
「えっ!! ジョブランクが上がるってこと?」
「たぶんそうだと思う。まあ、使用レベル制限が100レベルだからすぐには使えないけど、ランクが上がれば一気にパワーアップするから凄いことになりそう」
「ジョブの変更はできないって聞いてたけど、そんなアイテム存在するんだ」
「こんなの私も初めて聞いたよ」
さらに仕様を付け加えると、神託の宝玉は人生で一度しか使えないアイテムだそうで、一人の人間に何度も使用はできないそうだ。それでもランクアップできないとされるこのハクスラ東京の仕様としては破格の性能といえた。
鑑定が一通り終わったタイミングで、朝陽と碧が戻ってきた。二人も鑑定結果を聞いて、心底驚いていた。
「すげーな、これでさらにPTとしてパワーアップできたな」
「うん、それで、二人の方がどうだったの、この集落について何かわかった?」
「気になることがいくつかあったが、何もわからなかったってのが正しい答えだな」
「何が気になったの」
「その家屋も生活感があるんだよ、ついさっきまで誰かいたような気配ってのか、そんな気配が残っている」
「やっぱりこの集落には何かあるみたいだね。このエリアにモンスターは出ないみたいだけど、警戒はした方がいいかもね」
そんな完全に安心できる場所とは言えないけど、とにかく、今日はボス戦などもあり、みんな疲れていた。何か食べて休もうという朝陽の提案に反対する者はいなかった。
「そういや、あのキノコはどうだった、食べれるのか?」
朝陽の問いに、何か思い出したように恵麻が答える。
「あっ、鑑定するの忘れてた! すぐに鑑定してみる」
ここにくるまでに拾った食材が食べれるか食べれないかは、今後の食卓の充実度に大きな差を生む、できれば食用であってくれと僕は願った。
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