第23話 鑑定祭り
カレーを食べた後、食後のコーヒータイムとなる。ヒマリはコーヒーが嫌いなので朝陽の自家製コーラを奪い取り、それを飲んでいた。
「落ち着いたし、そろそろドロップアイテムを鑑定しましょうか」
恵麻がそう言うと、みんな楽しみにしていたのか激しく同意する。僕も自分に合った装備がでないかドキドキしていた。
「まずは【EX】ワンドから」
「ワンドか、魔法系の補正が付いてれば理央にいいかもな」
「私の魔法がさらにパワーアップすればPTにとっては有益ね」
「自分で言うな自分で」
「事実なんだからいいでしょ」
「そういや、【EX】ってレアリティ的にどうなんだっけ?」
「基本レアリティの順位では上から【GR】【LR】【UR】【EX】【SR】【RRR】【RR】【R】だけど、【EX】はちょっと特殊なんじゃなかったけ?」
「【EX】は性能的には確かに微妙だけど、面白い効果が多くて、ビルドによってはかなり有用なアイテムだったりするって書いてあったよ」
僕がネットで調べた知識を披露するとみんな関心してくれた。
そんな会話の間に鑑定が終わる。恵麻が内容を伝えてくれた。
「えと、簡潔に言うと、これは理央には合わないかも」
「弱いのか?」
「もしかしたら強いかもしれないけど、理央より、装備する適任者がいるわね」
「それは誰だ?」
「健太」
「なぁ! 僕!? どうして?」
「このワンドの攻撃スキル、【幸運の鉄槌】が、健太のユニークスキル【大幸運++】と相性がいいからよ」
「幸運の鉄槌?」
「【幸運の鉄槌】対象に無属性大ダメージを与える。この無属性ダメージは使用者の幸運値を基本値とし、アイテムドロップ率、レアドロップ率、品質上昇率の値によりダメージは加算される」
「うわ……僕、専用の武器だ」
「間違いない、健太用だな」
「ケンタワンドだね」
「ヒマリ、変な名前付けないでくれよ」
「いいじぇねえか、健太専用武器だし、いい名前じゃねえか」
ケンタワンドがいいか悪いかはどうでもいいけど、この武器があれば僕もPTの役に立てるかもしれないと嬉しくはあった。
「次は【LR】服を鑑定するね」
「あっ、ちょっとその前に物質化して私に見せてよ」
理央がわがままを言い始めた。
「しょうがないな……」
恵麻はインベントリから物質化して理央にその服を渡した。
「あらあら、ちょっと露出は高いけど悪くは無いわね。これなら補正関係なく私が装備してもいいわよ」
「シーカーがデザインで装備を選んでんじゃねえよ」
「何言ってるの、女にとっては大事なことよ」
「ふんっ、早く恵麻に戻して鑑定してもらえよ」
朝陽にぶつぶつ文句を言いながら恵麻に未鑑定の服を返す。
この【LR】服だけど、かなりの良品だった。しかも魔導士系の補正が多く、デザイン関係なく理央にはお似合いであった。
「まあ、補正も悪くないわね。魔力アップ、魔法攻撃力アップ、詠唱時間短縮、さらに全耐性も付いてて私好みよ」
全耐性は強いと碧や恵麻は騒いでいる。さらに理央の魔法威力がさらにアップするのが地味に大きいと思う。
そのあと【SR】アクセサリー、【SR】靴、【RRR】軽装鎧、【RR】指輪と【RRR】ルーンストーンの鑑定をおこなった。
【SR】アクセサリー スキル【氷結の極意】(氷結属性攻撃に氷結耐性30%貫通を付与し、さらに氷結属性威力を50%アップする)、魔力10アップ、精神力10アップ
【SR】靴 スキル【運気上昇】(ドロップ率中アップ、レア率中アップ)力30アップ 体力30アップ
【RRR】軽装鎧 スキル【連なる雷】(チェインライトニングの威力を100%アップする。さらに電撃連鎖対象が増える度に全体の雷撃攻撃力に30%のボーナスを加える)体力22アップ
【RR】指輪 火炎属性攻撃力120%アップ 物理攻撃力30% 力53アップ
【RRR】ルーンストーン スキル【灼熱の英雄】最終的な火炎属性の攻撃力が三倍になる。
こちらの鑑定した装備、話し合いすることもなく、【SR】アクセサリーは理央に、【SR】靴は僕に、【RRR】軽装鎧はライトニングボウガンの装備が決まってるヒマリに、【RR】指輪は火炎ビルドの碧に、【RRR】ルーンストーンの灼熱の英雄も【RR】指輪に付与して碧が装備することになった。
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