第21話 大収穫

眠ったアダマンサウルスは、猛毒に侵される。そしてメッセージに猛毒ダメージが羅列させていく。


レベル370のボス級モンスターも、眠りに落ちて受ける猛毒ダメージにはかなわないようだ。やがてアダマンサウルスは体力が尽き、そのまま消滅した。


レベル370の経験値は凄まじかった。一気にレベルアップして、みんなレベル40台後半まで上昇する。そしてレベルアップの知らせに続き、多くのドロップアイテムも表示されていく。


【EX】ワンド

【LR】服

【UR】マジックアイテム

【SR】アクセサリー

【SR】靴

【RRR】軽装鎧

【RRR】ルーンストーン

【RR】指輪

【素材】アダマンタイト

【素材】D級ダイヤモンド

大魔元石×7


「あっ、ダイヤモンドが出た!!」

即お金になりそうなドロップ品に、僕は一人興奮する。僕たちがドロップした装備は売れないので、こういう直球な金目の物は正直嬉しかった。


「D級のダイヤなんかより【EX】の方が気になるぞ!」

「いえ、【素材】アダマンタイトよ! こんな素材、聞いたこともないから、もの凄いものだと思うわよ」

「私は【LR】服が気になる。鎧とか美的感覚から装備する気にならないから、デザイン次第では私、この服、装備したいわ」

「ヒマリ、ヒマリね、え~と~ いっぱい出て嬉しい!」


「それにしてもボスでもないのに、どうしてこんな強敵がいたんだろうな」

「う~ん……一つ考えられるのは特殊チェストのガーディアンってとこだけど、宝箱なんてどこにもないしね」

「いや、ちょっと待てよ。そういや、隠し宝箱なんてのがあるって聞いたことあるぞ」

「あっ! 確かにあるかも、ちょっと待って、健太、ちょっと探知スキル使ってみて」

探知スキルは、宝箱の罠を察知するだけではなく、何かしらの魔力元なんかも探ることができる。恵麻の要請に応えて、僕は探知スキルを発動した。


「あの辺、ちょっと歪んで見えるかも」

僕がそう伝えると、碧がその辺りへ歩いて近づく。

「この辺か?」

「もうちょい右、そうそう、その辺り」


「うわっ! この辺、ちょと空気が熱いぞ」

「どれどれ、みしてみろよ」

「わぁ~ ヒマリも触る!」


そうやって碧とヒマリが近づくと、何かのトリガーが発動したのか、強い光が現れ、そこから宝箱が出現した。


「正解! かなり豪華そうな宝箱だな」

「レジェンダリーチェストかな、そうだったらかなり良いアイテムが入ってるかも」

「よし開けよう! 健太、探知頼む」

「了解」


探知で罠は見つからなかった。安全を知らせると、朝陽は躊躇なく宝箱を開ける。


「なんだよ、これだけかよ」


出てきたのは紫のキーと青いキーの二つだけだだった。かなり期待していただけに全員がっかりする。


「これなんのキーなんだ?」

「メルティライナーでキーと言えばボーナスステージの入場アイテムとかなんだけど、そんなのこの東京ダンジョンでは聞いたことないからな」

「まあ、それは後で考えましょう。鑑定するれば何かわかるかもしれないし」


とにもかくにも今日の狩はここまでとなった。鑑定もしたいし、僕たちは拠点へと戻ることにした。


「さすがに疲れたから、もう今日は敵と遭遇したくない」

「ここから拠点までのルートなら遭遇率は低いだろうから大丈夫だろうよ」

「そんな油断してるとヒョイと出現したりするのよね」

「理央、嫌なこと言うな。”言霊”って言ってな、言葉には現実にする力があるってばあちゃんが言ったからな」


そう少しの懸念があったけど、幸い、不意の敵との遭遇はなかった。


「どうする、すぐ鑑定する?」

「いや、後でいいだろう。まずは夕飯の準備をして休もう」


すぐに食事の準備に取り掛かった。みんな疲れているけど、お腹もすいているので、はきはき準備に取り掛かった。

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