第9話 一気にレベルアップ
「うわっ、レベル17だってよ」
「すげー16も一気に上がったのか!」
レベルアップには個々のジョブなどのより、同じ経験値量を得てもアップするレベルには個人差がある。レベル70オーバーの敵を倒したことによる大量経験値の恩恵で一番レベルアップしたのは碧だった。1から17へ上がってステータスも大幅に上がった。
一番レベルが上がらなかったのは僕だけど、それでもレベル11へとアップする。ステータスもみんなほどではないけど上って、ちょっとうれしかった。
「そういや、レベルアップの嵐でスルーしてたけど、
「恵麻、早々に鑑定よ!」
「恵麻、早く早く! 次はヒマリにピッタリの装備お願い!」
もうすでに、持ち帰ってゆっくり鑑定するなんて発想は僕たちのPTにはなかった。本来ならよくないことかもしれないんだけど、今の僕たちの状況では無事に帰る為の最善の選択となっていた。
恵麻はみんなに急かされながら鑑定に入る。そして結果を興奮気味に報告してくれた。
「ドロップしたのは”ライトニングボウガン”、メルティライナーでも人気のあった武器で、ノーマルでもかなり強い”強武器”ですよ。そのLRなんて凄すぎ」
「まじかよ、それで付与とかはどうなってるんだ」
「付与は全部で10個、攻撃力120%アップ、雷撃属性攻撃200%、全ステータス30アップ、敏捷性52アップ、雷撃耐性特大アップに物理耐性大アップ、チェインライトニング、追加雷撃属性280%ダメージ、追加ショック効果、それに……、ちょっと、これやばい! やばいよ! この付与の内容で雷撃耐性50%貫通まで付いてる!! 神装備! 紛れもない神装備よこれは!!」
「雷撃特化で雷撃貫通かよ、神どころかチート武器だな」
「それ、ヒマリ装備する!! いいよね!」
「残念だけど、今のヒマリには無理よ。この武器、レベル制限があるもの」
「え~ そうなんだ……」
ヒマリの残念そうな顔を見て、代弁するように碧が恵麻に質問する。
「レベル制限はいくつなんだ?」
「50、まだまだ先ね」
その答えに対して、朝陽が何か考えながら呟く。
「50か、いや、案外すぐかもしれねえぞ」
その言葉に、勘の良さそうな理央が、すぐに何かを察したのか怒ったように発言する。
「ちょっと待って、もしかしてだけど、このエリアでレベリングするつもり? そんな余裕あるわけないじゃないの、すぐにでも脱出ルートを探さないと生きて帰れなくなるわよ」
「だから生きて帰る為には強力な武器が必要だろ? ちょっと遠回りだけどその方が生存率は高けえと思うぞ」
「俺も朝陽の意見に賛成だ。さっきの感じから、ここに沸くモンスターは経験値がいい。それほど時間かけなくても50くらいまでならあがるんじゃないか」
「レベルがすぐに上がるのは敵のレベルが高いからよ! それだけ危険てことでしょ! 正直、このフロアーで通用する武器は碧のロングソードだけだし、それだけでレベル50まで上げれるわけないじゃない!」
「いや、その心配はないぞ、武器は増えていくと思うぜ」
「どういう意味?」
「レベルが上がれば理央の使える魔法も増えるだろ? それに威力も上がるし戦えるようになるんじゃないか」
「た、確かにそうだけど……」
「それにこれまでのドロップを見ると、意外に装備が落ちることがわかったしな、レベル上げしてれば仲間の装備も充実してくるんじゃねえか」
「そう、それです! ちょっと思ったんですけど、アイテムドロップ異常じゃないですか? 装備自体こんなにドロップするもんじゃないですし、URとかLRなんて、ゲームでもそんなにお目にかかれるものじゃなかったですよ」
恵麻は興奮したようにそう訴える。
「まあ、俺ってそういうクジ運ってか、引きの良さってのがあったからな。もしかしたらそれがPTに反映されてるのかもよ」
朝陽が自信満々でそう言い張る。
「ちょっと待って、それで言ったらヒマリも運はいいよ、もしかしたらヒマリのおかげかも」
「外れジョブの奴らが何言ってんだよ、そんなに運がいいならジョブの選択でもアタリ引いてるんじゃないのか」
「確かにそうね。それで言ったら、健太の大幸運++のユニークスキルのおかげってのが説得力あると思うわよ」
「えっ!! 僕!?」
「あっ、そういやそうだな、その方が納得するわ」
「でも、メルティライナーでは大幸運にそんな強力な効果なかったんだけどな」
「それは大幸運だろ? 健太のは大幸運++だから違うんじゃねえか」
「あっ……そうか、それに今の東京が全てメルティライナーの仕様に当てはまるともかぎらないしね」
なんとも、このままでは僕のユニークスキルのおかげという感じに納得されそうであった。PTに貢献しているってことで嬉しくはあるけど、まさか僕の大幸運++にそんな凄い効果があるとはとても思えなかった。
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